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2014年2月 3日 (月)

レジーム・チェンジ/中野剛志

Photo 公共投資には、「無駄」という批判が根強くあります。一般に、公共投資が無駄であると言われる時、それは、あまり利用されないような道路や公共施設を政府がやたらと乱造しているということを意味しているようです。
 しかし、今、議論している公共投資の意義は、建設された土木施設の有効利用についてではありません。あくまで、土木施設の建設という経済行為そのものが、需要不足を解消し、物価の下落を止めるというところにあります。

公共工事には、バラマキという言葉がすぐついてくる。

現に、今も、公共工事に予算をつけようとすると野党からバラマキという批判があがる。

しかし、これこそ「デフレ・レジーム」である。

インフレ時の公共工事は確かに、さらにそれを深刻化させるため、よくよく考えた上でやった方がよい。

ところが、今はデフレである。

デフレ時は、極端な話、無駄な公共工事であってもやる価値がある。

なぜなら、それによって仕事が生まれ、それに伴う雇用が生まれ、それによって消費が生まれるから。

だからタヌキや熊しか通らないようなところに道路をつくっても効果がある。

しかも、今は、日本全体の橋や道路、建物が老朽化のため、補修をしなければならない状態。

そして、日本は地震大国。

耐震化を進めることは、極論すれば命の問題になる。

首都東京は東京オリンピックまでに地震の起こる確率が3割以上だと言われる。

だから、急いで対策を進める必要がある。

インフレの抑制を目指す「デフレ・レジーム」から、デフレから脱却するための「インフレ・レジーム」へと、ありとあらゆる経済政策の向きを一斉に反転させる必要がある。

例えば、日本は生産性が低いと言われている。

しかし、非効率な企業や人材が多く存在するから、国民経済全体が非効率なのではない。

デフレだから非効率なのである。

言い換えれば、企業や労働者が効率的であるかどうかは、彼らの生産能力が高いか否かではなく、十分な需要があるか否かによって決まる。

「非効率部門を淘汰せよ」と言う論者は、原因と結果を取り違えている、というのが著者の主張である。

どうも私たちは、長い間続いたデフレによって、思考回路がデフレ・レジームになってしまっているようだ。

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