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2014年2月 4日 (火)

本当は誤解だらけの「日本近現代史」/八幡和郎

Photo 中国が失敗し、日本が成功したのは「中体西用」に固執した中国とちがって、「和魂洋才」にこだわらなかったことによる。この態度は、現代においても意味をもっている。なぜ、日本が多くのノーベル賞を獲得し、中国や韓国は取れないのか。それはひとえに科学的精神という西洋的なものを日本人が受け入れたからによる。「和魂洋才」でなければというかたくなな気持ちであれば、それは無理だったろう。
 結果として、和魂であれ漢魂であれ、活用することを否定するのでない。ほかの東洋人と違って偏狭な自国愛へのこだわりを排除し得たことこそが、日本人の成功を生んだのである。

日本がアジア諸国でいち早く近代国家の建設を実現できたのは「脱亜入欧」の精神で
文明開化に成功したからだと言える。

ちなみに「脱亜入欧」とは、「後進世界であるアジアを脱し、ヨーロッパ列強の一員となる」ことを目的とした、日本におけるスローガンや思想である。

一方、中国には「中体西用」という言葉がある。

中国の儒教を中心とする伝統的な学問や制度を主体に、富国強兵の手段として西洋の技術文明を利用すべきだという考え方である。

結局はこの考え方はうまくいかなかった。

プロイセンの名宰相、ビスマルクは「海軍の強化を図るとき、日本はそれを運用する学問や制度も導入しようとするが、中国は艦船の性能の善し悪しにしか興味がない」と語ったという。

つまり本質的なものを究明し、その根本から採り入れた日本と良い所取りをしようとした中国の差である。

黒船が来航して西洋文明の優位に衝撃を受けてからの日本人は、かなり大胆に旧来の考え方や制度を捨てて西洋文明を採り入れた。

しかも、文明を支える周辺の制度や考え方も同時に研究して、一体としての導入を心掛けた。

導入にあたっては、どの国のものが一番よいかを慎重に選び、あるいは改良すべきところは改良し、さらに最初は直輸入し、時間がたつにつれて独自のものをつくりあげて入れ替えていった。

結局はこれが成功した。

つまり日本の成功は、まさに「和魂洋才」だけではダメだということを理解したことに基づいていたということである。

日本の柔軟性が近代化を促進したということであろう。

そう言えば、今だに中国や韓国には偏狭な自国愛へのこだわりがある。

中国の中華思想、韓国のウリジナルなどその典型である。

これを捨てない限り、本当の意味での近代化はできないのではないだろうか。

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