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2014年2月12日 (水)

リー・クアンユー、世界を語る/グラハム・アリソン、他

Photo 私は民主主義がかならずしも発展につながるとは思っていない。むしろ、国家の発展に必要なのは民主主義ではなく、規律だと思っている。民主主義が蔓延しすぎると、無統制や無秩序につながり、国家の発展を妨げるからだ。政治制度の価値を最後に決めるのは、国民の大多数が生活水準を引き上げられる社会を確立する助けになるかどうか、加えて、個人の最大の自由が、他の人の自由とその社会で共存できるかどうかだ。

リー・クアンユーはシンガポールの初代首相。

首相就任以降、長期にわたり権威主義的政治体制、いわゆる「開発独裁」を体現し、独裁政権下ながらシンガポールの経済的繁栄を実現した。

リー・クアンユーが政権に就いた当時、1人当たりの国民所得は年に400ドル程度だった。

それを5万ドルを超るところまで発展させた。

彼に鼓舞された多民族国家が、アジア太平洋地域の情報と技術の中心地になっている。

彼の指導力が実を結び、中規模な都市が太平洋地域を結ぶ輸送ルートの拠点になったばかりか、世界有数の経済国家に変わった。

ここでリー・クアンユーが民主主義について語っている内容は興味深い。

彼は「私は民主主義がかならずしも発展につながるとは思っていない」と語っている。

確かに民主主義には多くの欠点がある。

民主主義はある意味、面倒なシステムである。

民主主義では意思決定は多数決による。

国民によって選ばれた議員が多数決によって意思決定をし、国の方向性を決めていく。

ところが、国民の支持が重要ということから、どうしても人気取りに陥りがちになる。

ポピュリズムや衆愚政治になってしまう恐れもある。

「決められない政治」になってしまうこともよくある。

意思決定はどうしても遅くなる。

それよりは優れた一人の指導者がその責任において独裁的な形で国を導いていった方がうまくいくという論は確かに一理ある。

そして、シンガポールはその一つの成功例であると言える。

また、他にも独裁国家で経済発展している例が多くある。

中国などはその最たる例であろう。

インドが中国に迫るような国民を抱えておりながら、中国ほど加速度的に経済発展しないのも、インドが民主主義の国家だからだとも言える。

ただ、多くの欠点があるものの、大多数の先進国はこの民主主義を採用している。

それは、現時点では民主主義がベストではないが、ベターな意思決定のシステムだと考えているからではないだろうか。

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