ダンナ様はFBI/田中ミエ
「犯罪者は世界中でドアの裏側にいる!」
これがダーリンの持論である。そ、そりゃあ、部屋の真ん中で待っているわけはないと思うよ。アクションものの映画見たって、ほとんど待ち伏せているのはドアの裏だもん。(中略)
しかし、ダーリンは日本の居酒屋のトイレでもどこでも入り方がFBIぽいのである。ドアの前に立ち、ドアノブのサインがブルーになっていて空いていることが分かっても、コンコンとノックし、数秒おいて再びノックする。いよいよ開けるというときには、ドアノブを握り5センチほど開いて、体を斜めにしながらドア裏、中を注意深く見てやっと大きく開いて入っていく。
本書はあるきっかけで、元FBI捜査官と結婚した著者の体験をもとにしたエッセイ。
アメリカ人と結婚するだけでも大変だと思うのだが、まして相手は元FBIである。
何しろFBIの流儀を日常生活の中に持ち込んでしまうわけだから、傍から見ればマンガのようなエピソード満載となる。
でも、同時にセキュリティーや安全確保という面では日本は非常に遅れているということを教えてくれる。
ただ、そんなカタイことを考えず、読むだけで楽しい本である。
また、そうやって読む本であろう。
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