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2014年3月 5日 (水)

機械との競争/エリク・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー

Photo われわれはいま、新しい病に取り憑かれている。おそらくは読者が名前も聞いたことのないような病だが、今後数年のうちにいやというほど耳にすることになるだろう。それは、「テクノロジー失業」という病気である。労働力を節約する手段が、その労働力の新たな活用先を見つけるペースを上回って次々に発見されていることがこの病気の原因だ。 ──ジョン・メイナード・ケインズ

 
ケインズのいう「テクノロジー失業」が現実のものとなってきている。

景気が回復しても雇用がなかなか回復しないという現象が起こっている。

その大きな原因は、デジタル革命による。

デジタル技術の変化のペースがあまりに速いため、企業も人間の能力も追いつけなくなった。

その結果、何百万もの人が取り残されている。

この人たちは職を失い収入を失い、デジタル革命前よりも購買力が減ってしまった。

経済というシステムでは価値の創造が雇用の創出に直結することが前提になっているが、この前提が危うくなっている。

いま起きているのは単なる景気循環ではなく、根本的な構造変化なのである。

特にITの進化はホワイトカラーの仕事をどんどん奪っている。

そしてこの流れは、実はまだ始まったばかり。

今後ますますその流れは加速することが予想される。

そうするとどうなるのだろう。

コンピュータが苦手な部分にしか人間は必要なくなってしまうかもしれない。

例えば、定型的なビジネス文章を作成することはコンピュータは得意である。

しかし、コンピュータのパワーとスピードをもってしても、創造性ということになるとほとんど能がない。

感動的な歌を作ることもおもしろい長編小説を書くこともできないし、新しいビジネスのアイデアを出すこともできない。

そして大事なことは、両者の共存共栄を図ること。

コンピュータは定型的な処理、反復的な計算、一貫性の維持といった面では圧倒的に強い。

さらに、複雑なコミュニケーションやパターンマッチングといった面でも急速にレベルアップしている。

だがコンピュータには直感も創造性も備わっていない。

あらかじめ決められた領域から少しでもはみ出す仕事を命じたら、もうできない。

幸いなことに、人間はまさにコンピュータが弱いところに強い。

したがってお互いに素晴らしいパートナーになる可能性は十分にある。

このパートナーシップがうまく行けば、コンピュータに仕事を奪われるという心配はなくなってくるかもしれない。

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