雑談力が上がる話し方/齋藤孝
人間関係そのものを家にたとえれば、要件のある、意味のある話ができる力、あるいは日本人として日本語がきちんと話せる力などが土台・基礎工事になります。 その上に一個人、社会人として必要な人間性という骨組みがあり、さらにさまざまな社会的経験を積んで身につけるマナー、人との付き合い方、コミュニケーション能力で〝家〟が形作られていきます。 その中で「雑談」「雑談力」の担う役割が水回りなのです。 外観に直接は表れてこないけれど、建物にとって欠かせないのが水回り。ここが詰まったままでは、どこか苦しくて居心地の悪い家になってしまうでしょう。
雑談は中身のないムダ話である。
しかし、それは必要のない話ではない。
むしろ雑談は中身がないからこそ、する意味がある。
トップセールスマンは大抵雑談がうまい。
ダメセールスマンは雑談が下手で、する本題に入ってしまう。
そのため、売れない。
これは昔も今も変わらない。
雑談とは、会話を利用して場の空気を生み出す技術のこと。
だから雑談上手といわれるのは、話術が巧みな人よりも〝間が持てる人〟や〝話を聞いてほしくなる人〟。
要するに会話というよりも〝人間同士のお付き合い〟に近い。
言ってみれば、雑談には、その人の人間性とか人格とか社会性といったものがすべて凝縮されているということ。
そしてその「すべて」をたった30秒の何気ない会話の中で見破られてしまっているということ。
考えてみれば怖いことである。
その意味では、「たかが雑談されど雑談」といった感じ。
雑談にもまじめに取り組むことが必要だということであろう。
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