さらば愛しき女よ/レイモンド ・チャンドラー
私はエレヴェーターで一階まで降り、市役所の正面の階段に立った。一点の雲もなく晴れあがり、空気が冷たく澄みきっている日だった。はるか遠くまで見とおすことができた──しかし、ヴェルマが行ったところまでは見えなかった。
久しぶりにこの本を読んでみた。
何度も読み返している本がある。
チャンドラー著の本もその中の一つである。
何度も読んでいるので、小説の筋書きはもうわかっている。
その意味では新鮮味はない。
ではなぜ、何度も読み返すのか?
その文章の言い回しや小説の持つ雰囲気を味わうためである。
私立探偵フィリップ・マーローを主人公とし、すべて一人称で語られる。
全体に行き渡るリリシズム。
ひねったセリフ回し。
独特の雰囲気がある。
願わくは、原文の英語が読めれば、なお良いのだが。
こればかりはハードルが高い。
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