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2014年4月 9日 (水)

「就社志向」の研究/常見陽平

Image メディアはかわいそうな話が大好きだ。何社も落ちて疲れている学生の光景ばかりを取り上げる。「就活かわいそう報道」は、実際の就活は多様化しているのに、型にはまった部分だけ取り出して、その型を再生産し、学生を萎縮させているというのが事実ではないだろうか。

「メディアはかわいそうな話が大好き」という著者の言葉、メディアの本質をついている。

つまり、メディアは社会の中の一部分を切り取って、それがあたかも全体であるかのような取り上げ方をする。

例えば、政府は様々は政策をとる。

しかし、その政策によってすべての人が恩恵を受けるわけではない。

得をする人が出る反面、損をする人も出てくる。

問題は大多数は恩恵を受けることが出来るかどうかということなのだが、メディアはあえてそれによって不利益を被る一部の人の「かわいそうな人の話」を取り上げる。

確かにそのような視点も大事なのではあるが、あくまでそれらの人は全体の中の一部である。

それを全体がそうであるような印象をメディアは持たせる。

これは明らかに国民をミスリードする。

中には悪意をもって意図的にこのことをやっているメディアもある。

ここまで来るとそれは犯罪である。

例えば、今、「自由な働き方」「新しい働き方」に関する注目が集まっている。

若くして起業する若者や、企業に縛られないモマドという生き方をマスコミは取り上げる。

それらを見ていると、そんな若者がどんどん増えているかのような錯覚に陥る。

しかし現実は、企業で働きたいと思っている若者、しかも同じ企業で継続して働きたいと思っている若者が増加している。

それは統計に表れている。

メディアでは企業から独立する若者が増えているかのように報じられているが、むしろマジョリティは企業にしがみつきたいと思っている若者なのである。

多くの若者は「新しい働き方」「自由な働き方」など求めているわけではなく、「普通の働き方」を求めているのである。

そしてそれは決して悪いことではない。

メディアが報じることは鵜呑みにせず、疑ってみることが大事だということではないだろうか。

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