嫌な取引先は切ってよい/中里良一
考えてみてほしい。
友達を選ぶとき、学校の部活動を選ぶとき、休日の旅行先を選ぶときなど、いろんなものを決める基準は「好き嫌い」だったと思う。でもなぜか、多くの会社はビジネスにおいては「儲かるか儲からないか」を最優先にしている。
「多くのことは『好き嫌い』で考えるのだから、ビジネスも好き嫌いで考えたらうまくいくんじゃないか」
誰か1人くらいそう思ってもおかしくないはずだし、私はそれを実行しているだけだ。別に非常識なことではない。
本書は、社員数20数人の町工場の社長、中里氏の著書。
この中小企業、お客様を選ぶときの基準は「好き嫌い」だという。
事実、この基準に変えてから、年間の売上ほどあった借金がなくなったという。
さらには、嫌な取引先を切っているにもかかわらず、お客様の数も増え続け、現在も順調に新規のお客様は増えているという。
多くの企業はお客様や取引先を選ぶ場合、「儲かるかどうか」で選ぶ。
そのため、自社の中にある大事なものを失ってしまうことが多い。
結果、その会社の「らしさ」がどんどん失われていく。
取引先にとっては、多くある下請け企業の一つとなってしまう。
そうなると、次に待っているのは値引き地獄。
相手に足元を見られ、値引きに次ぐ値引き。
経営はどんどん苦しくなる。
そうすると、いやな仕事でも受け入れざるを得なくなる。
そしてそれがまた負のスパイラルを生む。
多くの会社はこのことが分かっているにも関わらず、ここから中々抜け出せない。
著者の言う「好き嫌い」でお客様を選ぶということ。
実行する価値があるのではないだろうか。
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