感じる科学/さくら剛
照明から発射された光の粒は、少女のしっとり首筋に当たるとそこでプヨーンと跳ね返り、あなたの瞳をめがけて一直線に進みます。アイドルの生首筋からやって来た光の粒子はそのままあなたの眼球に侵入し、あなたの体と一体化。そこで網膜内の分子と反応した光の粒が、あなたの脳に少女の首筋の映像を見せているのです。
科学や物理学というと、難しそうでなんだか近寄りがいと感じるもの。
著者はそのような世界を平易な語り口で興味深く語っている。
例えば上記は「物を見る」という行為をあらわしたもの。
私たちが人や物を見るとき、それは究極的にはその物自体を見ているわけではない。
その物体に反射した光を見ている。
それを表現すると上記のようになる。
そもそも相対性理論、宇宙、時間、生命の進化、それぞれの分野の研究が明らかにした事実というのは、どれも衝撃的で、おもしろいもの。
しかし、それを説明する本の「難しさ」という壁によってその機会を失ってしまっているのではないだろうか。
その意味では「伝える技術」も専門家の必須スキルでなないだろうかと考えさせられた。
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