日本人はなぜ貧乏になったか?/村上尚己
「脱成長」とは、「経済成長を止めること」「ゼロ成長・マイナス成長を続けること」であり、いままさに日本が陥っているこの「不況をさらに加速させること」だからだ。
その先に待っているものは? 「皆が温かく分け合う競争のない社会」などではない。その未来にあるのは「不況が進展し、企業はさらなる価格引き下げ競争を強いられ、そして多くの国民は、減り続ける職を求めて、他を蹴落とす悲惨な社会」である。
「日本はもう十分に豊かになったんだから、もう成長しなくてもよいのでは」という人がよくいる。
確かに成長しなくても、今のレベルが維持できるのであれば、それでもよいのであろう。
ところが、経済は回っているので、世界中に生きる人たちすべてが、すべてつながった形で動いている。
日本の成長が止まってしまえば、当然、日本は競争に負けてしまう。
そうなれば、国内の職はますます無くなる。
少ない職に皆が群がるという現象が、日本中の至るところで起こるようになる。
今以上の競争社会になってしまうかもしれない。
だから、日本は成長し続けなければならない。
でも、こんな単純なことが分からない人が大きな割合を占めるのが今の日本社会ではないだろうか。
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