こんな僕でも社長になれた/家入一真
逃げることは、決して悪いことじゃない。前に進めなくて立ち止まるくらいなら、全力で後ろ向きに走ればいい。尻尾を巻いて逃げてしまえばいいのだ。
どんな道にも必ず行き止まりはある。自分が、道の行き止まりに立っていることに気づかずに、前に進めないともがき続けるくらいなら、来た道をちょっとだけ戻って、やり直してみればいい。身動きが取れないことに絶望的になって、自ら命を絶ってしまうくらいなら、誰も追ってこないところまで、全力で逃げればいい。
世の中は広い。地球は、途方もなく大きい。どんな人にだって、どこかにきっと、何も恐れることなく、ハッピーに暮らせる場所があるはずだ。前に進まなくたって、逃げたって、生きてさえいれば、きっといつか、そんな場所にたどり着く。逃げることは、決して悪いことじゃない。
ひきこもりからIT会社の社長になった家入氏の体験記である。
自分の子供がひきこもりであるだけに、このようなテーマは非常に関心がある。
結局のところ、「逃げることは、決して悪いことじゃない。前に進めなくて立ち止まるくらいなら、全力で後ろ向きに走ればいい」という言葉に集約されているような気がする。
ひきこもりになる人間は、自分を責め続けている場合が殆どである。
「自分は現実から逃げ回っている」と。
しかし、その事実をまず受け入れることである。
まずはありのままの自分を受け入れること。
そして現実を受け入れる。
良いことも悪いことも、すべて受け入れる。
おそらくそれがなければ、次へのスタートは切れない。
このことに気づかされたことだけで本書を読んだ価値があった、という気持ちである。
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