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2014年6月27日 (金)

外交回想録/重光葵

Photo しかし満州事変から日華事変になり、日本軍が華北から華中へ、華中から華南へと進み、さらに仏印に進駐するに至って日英関係はすでに大石を急坂に転がすようなことになった。日本軍が太沽から上陸して英租界を通過して天津に至り、ついに英租界を包囲してこれを封鎖して出入者を監視し、英国人を男女問わず脱衣検査を行うに至って英国の世論は沸騰した。婦女子が日本軍官憲の男子によって裸体にされて検査を受けたといって全英国人は極度に怒ってしまった。ネヴィルもついに「この侮辱に対して自分の血は煮えくりかえるばかりだが、英国は今日準備が足りないから隠忍自重のほかはない」と演説した。英国人はかくしてことごとく反日的感情をもったと言って差し支えない。いわんや左翼の宣伝や米国の勢力に躍らされている背景があるのである。

本書は、満州事変から大東亜戦争に至るまで、激動の世界の中で外交官として活動した重光氏の回想録である。

読んでみて感じるのは当事者としての苦悩や緊張感である。

歴史に関する本を読むとき、学者や評論家の書いたものは、客観的であろうとする故に、どうしても第三者的な味気ない記述になってしまう。

それと比べ、当事者の回想録は生々しさがある。

ここでは英国民がどうして反日的感情をもつにいたったのかが、具体的に記されている。

このような国民感情が世論を形成し、歴史を動かしてゆくのであろう。

そして動き出したら歯止めが利かなくなってしまうというところからは、十分に学ぶ必要があるのではないだろうか。

同じ過ちを繰り返さないために。

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