なぜ日本は誤解されるのか(ニューズウィーク日本版ペーパーバックス)
日本の政府関係者や学者、安全保障の専門家はしばしば「日本に軍隊はない」と口にする。しかし憲法9条に「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とあるにもかかわらず、日本は陸軍はもちろん、東アジア最強の海軍と空軍を有している。
言葉と現実のずれは近隣国の人々の心に疑念を生む。なぜ日本政府は言葉を濁し、分かり切ったことを否定するのかと、彼らはいぶかる。
日本政府が軍事力に関して率直に語っていないと考える隣人たちは、日本が軍国主義になることはないと言っても信じない。疑念に満ちた環境で日本の力が少しでも増せば、過剰なほどの注目と恐怖心を引き起こす。
本書は、過去約20年間にNewsweekに掲載された数多くの日本関連記事の中から厳選して再掲載したもの。
この記事を読んでみると、日本および日本人がいかに誤解されているかがよくわかる。
国が違えば、当然価値観も違うわけで、完全に理解してもらえるわけではないだろうが、それにしても日本という国が外国人にとって分かりにくい国であることは確かなことのようだ。
特に、憲法9条の問題はわかりにくい。
9条をそのまま素直に読めば、自衛隊は違憲である。
ところが、それを解釈の積み重ねによって、これまで乗り切ってきた。
しかし、憲法で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とうたっておりながら、外国からみたら軍隊以外の何物でもない自衛隊を持っていることが不信感につながる。
日本は憲法を守らない国と思われている。
今回も閣議決定で憲法の解釈の変更した。
やむを得ない措置であるとはいえ、もうそろそろ限界がきているのではないだろうか。
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