さらば東京裁判史観/小堀桂一郎
日本国民の精神はアジア否全世界の他の諸民族に対する日本の民族的優越性を主張する有害なる思想に依り組織的に蠧毒せられたり。日本に存したる議会制度は広汎なる侵略の道具として使用せられ且当時ドイツに於てヒットラー及びナチ党に依りイタリアに於てファシスト党に依り確立せられたると同様の組織が導入せられたり。日本の経済的及び財政的資源は大部分戦争目的に動員せられ、為めに日本国民の福祉は阻害せらるるに至れり。
上記は東京裁判起訴状の一部であるが、いわゆる東京裁判史観はこの起訴状に集約されている。
ここでいっていることは、日本の一部の「犯罪的軍閥」が日本を侵略戦争に導いた。
日本国民は被害者だった。
ということ。
つまり軍閥と国民とは利害の対立する存在であり、前者が後者を圧迫し、その福祉を侵害し続けたのが昭和の歴史であったと見做す。
いわゆる東京裁判史観のうちの代表的な脈絡の一筋がここに現れてくる。
そしてこの史観は現在も続いている。
中国や韓国が日本を批判するときも、「日本の一部の政治家が~」という形で行う。
つまり一部の為政者が善良な日本国民をだまして日本を戦争に駆り立てているという文脈。
これは明らかな分断工作である。
そしてたちの悪いことに、日本のマスコミもそれに同調して、あたかもそれが世界の声であるかのように吹聴する。
いい加減、この東京裁判史観というたちの悪い洗脳から脱してもらいたいものである。
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