最終戦争論/石原莞爾
われわれの常識から見れば結局、二つの代表的勢力となるものと考えられるのであります。どれが準決勝で優勝戦に残るかと言えば、私の想像では東亜と米州だろうと思います。
人類の歴史を、学問的ではありませんが、しろうと考えで考えて見ると、アジアの西部地方に起った人類の文明が東西両方に分かれて進み、数千年後に太平洋という世界最大の海を境にして今、顔を合わせたのです。この二つが最後の決勝戦をやる運命にあるのではないでしょうか。軍事的にも最も決勝戦争の困難なのは太平洋を挟んだ両集団であります。軍事的見地から言っても、恐らくこの二つの集団が準決勝に残るのではないかと私は考えます。
石原莞爾と言えば、関東軍作戦参謀として、柳条湖事件を起し満州事変を成功させた首謀者であるとされている。
この人物、「好戦家」というイメージがあるが、その著書を読んでみると、そう単純に言いきれるものでもないようだ。
平和な世界が訪れるためのやむを得ない手段として、武力による世界統一が必要だと考え、それが「世界最終戦争論」となる。
この結論に至る論理の展開には、興味深い部分もあるが、それが最後は東西を代表して日米が最終決戦をすることになるという考え方は、今の時代から考えれば極端すぎる。
ただ、当時の日本人には珍しく、日本の未来について壮大なビジョンを描いていた人物だったことは確かなことのようだ。
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