警察の裏側/小川泰平
警察というものはタテ社会である。階級だけでなく実力でもタテ社会である。○○班長が言ったのだから間違いない。○○部長が落としたのだから絶対だ。という思い込みが非常に強いのが現実であり、これに異を唱えることができない「不文律」がある。裏付け捜査ひとつにしても、警察サイドに立った裏付け捜査には力が入るが、被疑者に有利な裏付け捜査には自然と力も入らない。
捜査の段階で「○○がホシだ!」と言ったベテラン捜査員の言葉を間違いないと「思い込み」、○○班長が落としたのだから間違いないと「思い込み」、異を唱える者がいない現場が「冤罪」という不幸を生み出しているのである。
冤罪はあってはならないことである。
特に殺人事件で死刑執行された場合は取り返しのつかないことになる。
ところが現実には冤罪が後を絶たない。
どうしてそのようなことが起こるのか。
著者は、その原因の一つは警察という組織の構造的な問題だという。
つまり、「上の言ったことには逆らえない」という考え方が蔓延している組織。
そのような組織では自浄作用が働かず、冤罪は繰り返される。
こう考えると、このタテ社会型の組織を変えない限り、抜本的な解決はできないといえよう。
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