女たちのサバイバル作戦/上野千鶴子
最後にこういう団体には男の尻馬に乗る女がかならずいます。夫婦別姓選択制に反対する急先鋒は高市早苗ですし、「男女共同参画」を批判するのは長谷川三千子、嫌中をあおるのは櫻井よしこ、フェミニズムが世の中を生きづらくしたと責めるのは山下悦子(『女を幸せにしない「男女共同参画社会」』洋泉社、二〇〇六年)……と、オヤジメディアが重宝がる女性言論人の出番が用意されています。この女性たちもオヤジメディアにいいように使われて、使い捨てられるだけということに気がついてほしいものですが。
本書の著者、上野氏は日本のフェミニズムの代表的存在。
特にフェミニズムに批判的な女性に対しては、男に利用されて最後は使い捨てされるだけだと強く批判する。
しかし私自身、著者の主張するところは、ほとんど共感できない。
なぜかといえば、批判するだけで何の対案も出していないから。
対案らしきものは言っているが、それでは日本社会はめちゃくちゃになってしまう。
言論の自由が保障されている以上、何を主張してもよいのだが、問題は「責任ある発言」をするということ。
無責任な発言は害悪をまき散らすだけである。
フェミニズムに対して多くの日本人が共感できないのもこんなところにあるのではないだろうか。
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