« 2014年9月 | トップページ | 2014年11月 »

2014年10月の30件の記事

2014年10月31日 (金)

「良心」から企業統治を考える/田中一弘

Photo 良心を動機として仕事をするほうが、自利心を動機としてするよりも当てになる。当てになるというのは、その仕事を忠実に遂行する可能性が高い、ということである。言い換えれば、動機としての良心は自利心より「信頼性」が高い。
 なぜ良心の信頼性が高く、自利心のそれは低いのだろうか。それは良心の歓びはなすべきことを本当になさなければ得られないが、自利心の快さはなすべきことをしたふりをするだけでも得ることが可能だからである。

一昨日受けたセミナーで本書を紹介されたので読んでみた。

本書で言っていることは、「良心に働きかけることによって企業統治をせよ」ということ。

本書において企業統治とは「経営者がなすべきことをし、なすべからざることをしないように、させること」を意味する。

「良心」に働きかけるというと「そんなのきれいごとだ」「現実はそんな甘いものではない」と言われそうだが、著者はこれを真摯に論じている。

まず「与える良心」「応える良心」「求める良心」の三つが、なすべきことを実行する動機としての良心。

そしてこれらには様々な哀歓が伴う。

整理してみると、①利他の哀歓、②実践の哀歓、③創造の哀歓の三つに分けることができる。

大まかに言えば、①は人の役にたつこと、②は義務を行い果たすこと、③は何かを生み出すこと、にかかわる。

それをなすことによって、それぞれ①利他の歓び、②実践の歓び、③創造の歓びが生まれる。

逆にそれをしないと、①利他をしない哀しみ、②実践をしない哀しみ、③創造に反する哀しみが生じる。  

これらを念頭に良心に働きかけて企業統治をすべし、というのである。

そしてそれを無意識のうちに実践していたのが「日本的経営」であり、そこに強さの源泉があった。

ところが欧米型の合理的な企業統治の手法が入ってきたため、日本的経営の良さが失われ、それとともに衰退していったというのである。

確かに欧米型の企業経営に限界が見ている昨今、このようなアプローチは考えてみる価値はあるのではないだろうか。

2014年10月30日 (木)

空間が会社を変える!/吉田丈彦

Photo 社員に「もっとやれ!」と発破をかけるのではなく、社員が自ら生き生きと働く場を、最高の仕事ができる舞台を用意するのが経営者としての務めではないでしょうか。社員の労働をより意欲的に、感性高く創造性豊かな仕事に変えるために、「創造する空間 クリエイティブ ワークスペース」を私は提供いたします。

本書は、工務店の社長の「創造する空間」の提案である。

ほとんどの人は自分が勤める会社で人生の大部分の時間を過ごす。

ではこれだけ長い時間を過ごすオフィスの環境はどうだろうか。

そこは、社員が本当に良い仕事ができる環境だろうか?

5Sができていない企業は総じて業績が悪い。

では5Sさえ徹底していればよいのだろうか。

会社の環境整備というと、5Sを思い浮かべる経営者は多い。

確かに、5Sは、業務の効率化や不具合流出の未然防止、職場の安全性向上などに有効だ。

社員一人ひとりが職場を整理整頓することにより、問題点の顕在化が進んでいく。

しかし、著者が提案する「創造する空間 ~クリエイティブ ワークスペース」は、その一歩先をゆく発想。

空間に機能だけを追求していては、新しい発想や創造的なひらめきが出てこない。

社員の方々が長時間を過ごすオフィスだからこそ、働きやすさだけではなく、癒しや創造性を豊かにできる空間を提供する必要がある。

働く環境を変えると、感性が変わる。

人間関係も変わる。

社員のコミュニケーションが密になれば、感性と感性の相乗作用で、創造性が高くなる。

これらが著者の提案である。

本書はその提案書のような形になっている。

少なくとも小さな会社が今の時代で勝ち抜くには、このような提案型の営業をする必要がある。

その意味でこんな経営者がもっともっと現れてほしいものである。

2014年10月29日 (水)

教え上手は、学ばせ上手/関根雅泰

Photo 本書では「教える」ことを、「上手に学べるよう手助けすること」と定義しています。教える側は、相手が「上手に学ぶ力」を身につけられるよう支援するのです。

「教える力」は学校の先生だけに求められる力ではない。

普通の会社員であっても上司が部下に教えたり、あるいは後輩に教えたりする場面がある。

親が子供に教えるという場面は親であればだれもが直面する。

私自身も企業で研修講師をつとめることが多いため、教える場面は多々ある。

ただ、経験上、受ける側の姿勢が大きく影響することを実感している。

教える側がどんなに頑張っても、受ける側が百パーセント受け身だと効果は薄い。

逆に教える側のスキルが稚拙であっても、教わる側に「何かを習得しよう」という姿勢があれば何かを得ることができるものだ。

つまり「教わる」から「学ぶ」への姿勢の転換が必要だということ。

「教わる」は受け身だが、「学ぶ」は能動である。

逆に言えば、いかに「学ぶ」姿勢を身に付けさせるのか、これが教えるポイントだといえるのではないだろうか。

2014年10月28日 (火)

小さな会社の生きる道/中川淳

Photo「ブランドとは、差別化され、かつ一定の方向性(=らしさ)をもったイメージにより、商品、サービスあるいは会社そのものにプラスをもたらすもの」であると私は定義している。ポイントは「差別化」されていることと、「らしさ」をもっていること。

ブランドというと、グッチやエルメスのような高級品をイメージする人が多く、自分とは関係ないと思いがちである。

しかし、本来ブランドとは「らしさ」を追求した結果、「差別化」された商品やサービスのことである。

このブランドが確立されれば、無意味な価格競争に巻き込まれることを防ぐことができる。

そう考えると、体力の劣る中小企業こそ、ブランド化が必要だといえる。

自社の商品やサービスの「らしさ」とは何か?

何によって「差別化」するのか?

真剣に考える必要があるのではないだろうか。

2014年10月27日 (月)

なぜあなたは、間違った人を採ってしまったのか?/佐藤文男

Photo「われわれは人間やから、お互いに飼いあいをしている。よって、人間とはどういうものかという、人間の本質を知らないといかんな。そやから会社を経営するうえでも、成功しようと思ったら、従業員も人間やから、人間とはこんなもんやという本質を知る、そこから出発しないといかんわな。諸君は、大学で人間について研究したか。」

上記は松下幸之助の言葉。

ここで述べているのは、「人間の本質を知る」ということ。

今、人を採用するのが本当に難しい時代になってきた。

様々な人を分析する手法が開発されている。

これらはそれなりに効果がある。

しかし、最後は「人間の本質を知る」ことに尽きる。

そしてそれは「己を知る」ということではないだろうか。

知っているようで知らない、それが「自分」という存在だと思う。

2014年10月26日 (日)

エンデの遺言/河邑厚徳

Photo エンデは、かつては過去の文化や歴史を学ぶことで、現代の問題にどう対処すべきかが了解できたが、私たちがいま向き合っている「お金」の問題では、どう考えるべきかの規範が過去には何もない。したがって、未来を想定し、何が起きてくるのかを予言的に直視しなければならない、と語っています。それは、人間に与えられたイマジネーションの能力に依らなければならないということでもあります。問題解決を過去からではなく、未来から考える。それがエンデの依って立つファンタジーの力なのです。

ファンタジー作家であるエンデは、自らの使命を上記のように語っている。

今や「お金」の問題では、過去に規範とすべきものが何もない、と。

確かに1971年にニクソン大統領が金とドルの交換停止を発表し、翌年から変動相場制に移行した。

それ以来、今日まで、私たちは前例のない経済を生きてきている。

お金が自己増殖し、お金がお金を生み出す世界の到来である。

今、アメリカでは、人口の1%が、その他の99%よりも多くを所有しているという。

一方で、どんどん貧しくなる国があり、自然環境も奪われつづけていく。

その一方で少数の者たちが、法外な利益を吸い上げていく。

それがいまの経済システム。

金融工学という素人目には全くわけのわからない世界でお金が生み出されていく。

今や世界中のお金は何によっても担保されず、ただ信用だけで成り立っている。

その信用が揺らいだとき、ドミノが起こり、お金は単なる紙屑になる。

その一つの現象が2008年のリーマンショックである。

今後、同様のことが、またはそれ以上のことが起こるかもしれない。

少なくとも、私たちの生きている世界は、そのような不確かな土台の上に成り立っているという自覚は持つべきではないだろうか。

エンデもそのようなことを警告していたのではないかと思う。


2014年10月25日 (土)

世界経済の大潮流/水野和夫

Photo_2 従来の二極化と、グローバル時代のそれとではまったく異なります。従来の二極化は大企業と中小企業の賃金上昇率の差を指していたのですが、どちらも生活水準が上がる点においては同じでした。ところが、一九九四年以降になると、大企業の賃金は上昇し、中小企業は下落するという上下の方向に開く格差へと変わったのです。

大企業と中小企業の業績回復の関係を、旅客機の前輪と後輪の関係に例えることがある。

旅客機が離陸するとき、まず前輪があがり、しばらくして後輪が上がる。

逆に着陸するときには、まず後輪から着地し、最後に前輪が着地する。

同様に景気回復すると、まず大企業の業績が回復し、中小企業はそれからしばらくして回復する。

逆に不況になると、まず中小企業の業績が下落し、しばらくして大企業の業績が下落する。

というのである。

しかし、本書を読んでみると、今やこの考え方も甘いと言えそうだ。

本書によると、グローバル化した現在は、中小企業はもはや景気回復の恩恵は永遠に受けることはなく、大企業との格差は開くばかり、とのこと。

この著者の主張、残念ながら今の日本の経済状況を言い当てている。

もはや経済においては、これまでの考え方が通用しない時代に突入したということではないだろうか。

2014年10月24日 (金)

のうだま/上岡山トメ、池谷裕二

Photo とにかく、「やる気」はいくら待っても出てこない。こちらから迎えに行って、スイッチを入れる。これが「続ける」ことのヒントになりそうです。

多くのことは「続ける」ことによって成し遂げることができる。

勉強でも、あるスキルを身に付けることであっても、「続ける」ことがネックとなる。

逆に言えば、「続ける」ことがいかに難しいかということでもある。

なぜなら、人間はすぐに飽きるから。

同じことを続けるとどうしてもマンネリに陥る。

そうするとやる気がなくなってくる。

結果、「続かない」ということになる。

では「続ける」にはどうすればよいのか?

「やる気」を継続させればいい。

では「やる気」を継続させるためにはどうすればよいのか。

そのためには「脳はだまされやすい」という特性を利用することが大事だという。

脳は私たちが思っている以上に騙されやすい。

例えば、

朝、身体を起こすから目が覚める。

テレビを見て笑うから面白いと感じる。

泣くから悲しくなる。

身体が動くことで脳がつられて「ああ、そうなんだ」ということになる。

つまり脳は騙されて「やる気」になる、ということ。

つまり、まず身体を動かすことを仕組化する。

すると脳は騙されて「やる気」が出てくる、という。

試してみる価値はありそうだ。

2014年10月23日 (木)

どこの会社でも通用する、ポータブル・スキルを身につけろ!/吉井亮介

Photo 「知識の毒」とは何か? 大きく分けて2つあります。
 1つ目は、知識を得て理解することで「ああもう大丈夫」と安心してしまうことです。「わかった」ことが、イコール「できること」だと勘違いしてしまう。(中略)
 知識が抱える問題2つ目は、「単なる批評家」になってしまうことです。

「ポータブルスキル」とは、辞書を開いて言葉の意味を紐解くと、「ポータブル(portable)= 持ち運びできる」「スキル(skill)= 技術」ということ。

会社の垣根を越えて持ち運びができて、どの会社でも活かせる仕事の技術のこと。

一昔前は、新卒で就職した会社で定年まで勤め上げるのが一般的だったが、今は多くの人が途中で転職したり、独立したりする。

その意味では「ポータブルスキル」は必須スキルと言ってよい。

ただ、その努力の方向性を間違ってしまっている人が多い。

例えば、将来に備えて資格ばかりをとる資格マニア。

あるいは、やたらに知識を詰め込んで、頭でっかちになってしまう人。

いずれも間違っている。

大事なことは、今、目の前の仕事を将来を見据えてどんな課題を持って取り組むか、ということ。

10年目の社員がいるとして、「同じ1年を10回繰り返しただけ」なのか、「10年分の経験を蓄積している」では大きな差が出る。

何の成長もないまま10年を過ぎてしまえば、たとえ長く仕事をしても、いつまでたっても入社3年目とか5年目の人と技術的には変らない。

その分かれ道の鍵を握っているのが、仕事を通して成長できるかどうか。

ハイパフォーマーの自分になるために、経験から学ぶことを意識しているかどうかである。

ポータブルスキルを身に付けるヒントは意外と目の前に転がっていることに気づくべきだろう。


2014年10月22日 (水)

仕事のあたりまえは、すべてルールにまとめなさい!/寺内正樹

Photo ビジネスパーソンを対象にしたあるアンケート調査で、「やる気」を高める要素として多くの人が挙げたものには、以下のものがあります。
・現在の担当業務に満足していること
・自分の技術・能力を高める機会が充実していること
・企業風土が自分に合っていること
・上司・部下のコミュニケーションが十分にとられていること
・人事評価以外で同僚・上司から褒められる機会があること
 もし、あなたの社員・部下の「やる気」がイマイチ足りないと感じているならば、これらを社員・部下に与えられる環境作りができているか改めて考えてみてください。

上記のやる気を高める要素は、私の実感とも一致する。

中小企業の経営者と話すと、やる気を高めるための第一の要素として給与の額を上げる方が多い。

しかし、給与は不満要素にはなっても、やる気の要素にはならない。

これは科学的にも証明されている。

やる気を高めるのは、仕事そのものの面白さや、自分のやっていることが他者から認められること、成長実感があること等である。

こんなことはあたりまえだといわれそうだが、

大事なのは、あたりまえのことを知っていることでなく、あたりまえのことをきちんと具体的な行動に落とし込んで実行できていることである。

そしてこれらを具体的に仕組化することではないだろうか。

2014年10月21日 (火)

迷わない。/櫻井よしこ

Photo ポンドさんはとても潔癖で、お茶代を払ってもらうこともないのに加えて、お歳暮やお中元の菓子折りが届いても、送り返す人でした。
 あるとき、日本の幼児教育をテーマに保育園と幼稚園を取材した帰り際に贈り物が差し出されました。辞退すると、後で郵送されて来ました。ポンドさんは贈り物を救世軍にそのまま寄付し、寄付の証明書を受け取るよう私に指示しました。その証明書に、
「頂戴した品物はこのような形で社会に役立たせていただきました。お気持ちに感謝します」
 というカードを添えて、贈り主に郵送したのです。
 アメリカのジャーナリズムは取材に関連して物品を受け取ることは決してありません、というピューリタン的な価値観を、確実に相手に伝えたわけです。そこまでこだわるのかと驚くこともありましたが、その方針は徹底していました。

著者の言動が終始一貫していることについては抜きんでている。

どうしてそんなことが可能なのか。

本書を読んでみると、駆け出しの記者だった頃師事し、ジャーナリズムのイロハを教わったエリザベス・ポンド氏によるところが大きかったということがわかる。

ジャーナリストはまず闘うための土俵をつくらなければならない。

その中の一つは取材相手に借りを作らない、ということ。

これがあるから、誰にも色目を使うことなく、正論を論じることができる。

逆にこれが徹底できていないと、どこかでほころびが出てくる。

それが妥協につながる。

著者のこの原体験が今の生き方に大きな影響を与えているのではないだろうか。

2014年10月20日 (月)

知られざる特殊特許の世界/稲森謙太郎

Photo レースのタイムとか筋力の強さといった点以外の要素を、数値化したかったのです。いわゆる「テクニック」とか「センス」といわれる部分を、計量できないかと、そういうことですね。僕自身、身長が2mあるわけでもないですし、ヘラクレスのような体をしているわけでもないのです。それなのに、勝てたのはどうしてなのか? その原因を「センスがあるから」のひとことで済ませるのではなくて、その「センス」を数値化し分析してみたかったのです。

知っているようで知らない特許の世界。

本書は、誰がどのような特許を取得したのか、

そのことを面白おかしく紹介している。

中には、小室哲哉や大仁田厚など有名人も特許を取っている。

実用性を重んじたものもあれば、遊び心満載のものもある。

例えば背泳のオリンピック金メダリスト鈴木大地の特許である水泳トレーニングマシン。

これは泳者の筋力や水中における抵抗力・推力などを測定し、

これを、あらかじめ機械にインプットされた「基準泳者」のデータと比較することによって、

各能力を客観的に判断し、トレーニングに活かすというもの。

ここでいう「基準泳者」について、公報から補足しておくと、

たとえばこのデータを世界的な泳者のものにすれば、

「世界的な泳者に比べて、どの部分が劣っているのかが世界的なレベルで判断ができ、世界的なトップ泳者の育成用のシステムとして利用することができる」

という。

さらに基準泳者を同年代の泳者にすれば、

「同年代との比較において、運動能力の優劣が判断でき、泳者の運動能力の劣っている部分や優れている部分が判り、これを基にして、劣っている部分を強化するようなトレーニングスケジュールを作成して利用することができる」

ともいう。

これを見ると、鈴木大地は科学的トレーニングということをいつも考えていたことがわかる。

体力的に劣る日本人が勝にはどうすればよいのか?

いつもそのことを考えていた副産物がこの特許ではなかったろうか。

この特許が商品化されることはなかったようだが、その思いは伝わってくる。

2014年10月18日 (土)

仕事と組織は、マニュアルで動かそう/内海正人

Photo_2 うまくいっている会社は、業務が円滑にまわっていく「仕組み」を持っています。これは、会社という大きな単位に限らず、部署やチームといった単位で仕組み化しているということです。「仕組み」を使って人や業務を動かしているのです。

私の顧問先はすべて中小企業である。

その特徴は、一言で言えば、仕事が「人」に依存しているということ。

もっと言えば、仕事が属人化しているということ。

その人にしかできない仕事があるということは、会社としては非常にリスキーなことである。

なぜなら、その人が抜けたら仕事が回らなくなるから。

また、その当人も有給休暇が取れない。

会社にとっても本人にとっても決して良いことではない。

中小企業にとって必要なのは、「特定の人に依存しない仕組みを持つ」こと。

そしてその仕組みの一つがマニュアルである。

マニュアルがあることによるデメリットもあるが、ないことによるデメリットの方が中小企業でははるかに大きい。

マニュアルがないと、

業務を教えるのに先輩社員がつきっきりで教えないといけないので時間と労力がかかる。

教える先輩社員によって自分自身が考えた教え方で伝えるため、新人のスキルにばらつきが発生する。

先輩社員、個人の思い込みが大きく反映され、業務の範囲が把握できなくなる。

個人個人での伝承がベースのため、非効率な仕事をしてしまう。

従業員のスキルをはかる基準ができず、従業員評価が主観的になる。

会社の統一感や一体感が生まれず、業種によっては個人事業主の集まりといった印象を外部者に植えつけてしまう。

等々、数々のデメリットが発生する。

中小企業にとって「仕組化」は次のステップに進むための必須条件ではないだろうか。

2014年10月17日 (金)

おもてなし経営 はじめの一歩/濱川智

Photo 実は外国人が素晴らしいと感じるおもてなしの共通点として、働く人のプライドや誇りがあります。つまり、接遇の丁寧さや見た目の美しさといった表面的なサービスや所作よりも、おもてなしを提供する人のプロ意識や心配りなどのマインドにもっとも心を動かされているのです。

東京オリンピック誘致のプレゼンで滝川クリステルさんが使った「おもてなし」という言葉は瞬く間に日本に広がった。

この「おもてなし」、単なる接客ではない。

接客というと何かマニュアルっぽい感じがする。

しかし、「おもてなし」はむしろ心の持ち方を表している。

「おもてなし」の本質は誠心誠意の気持ちで相手に真摯に向き合う「まこと」の精神。

その根底には「一期一会」や「一座建立」の言葉に代表されるような日本人の精神がある。

これからの日本、他国と差別化するための大きなリソースは、このような日本の精神に立脚したソフトの部分ではないだろうか。

そのためにはもっと「日本人らしさ」を追求していく必要がある。

「おもてなし」はその一つだと思う。

2014年10月16日 (木)

図解 資本論/久恒啓一、他

Photo マルクスは『資本論』の中で次のように指摘しています。
「労働者は、労働に見合った賃金をもらえない。不払労働による利益(剰余価値)は資本家の懐に入る」
「資本家の目的はいかに大きな剰余価値を得るかにある」
「資本主義は、資本家が労働者を自由に利用できるシステムをつくり出す。そのなかで労働者は、ひとつの『機械』となり、不完全な人間となる」

マルクスの資本論はこれまで読んだことがない。

もう終わった思想という印象が強いのだが、その概要位は知っておいた方がよいと思い、本書を読んでみた。

ここで貫かれているのは、資本家は労働者から搾取する存在という考え方。

資本家による労働者への収奪が進めば、次に資本主義的生産形態は少数の資本家が多数の資本家を搾取するようになる。

そして、資本を集中した大資本家の絶対数が減っていくにつれて、人数では勝る労働者階級が資本家たちから収奪をしはじめることになる。

マルクスは未来をそのように想定している。

ただ、読んでみて、このような考え方は、今でも一部の団体やマスコミには根強く残っているような気がする。

2014年10月15日 (水)

成功は“ランダム”にやってくる!/フランス・ヨハンソン

Photo 戦略とは、本質的には「解決策」を見つけることではない。成功はランダム性や偶然の結果だからだ。もっと大事なのは、ある方向に動くことである。実はどの方向に向かうかはそれほど問題ではない。史上もっとも成功した企業の一つ、サウスウエスト航空の創立者であり元CEOのハーブ・ケレハーは、「私たちには戦略プランがある。何かを行う、というプランが」と言っている。言い換えれば、戦略の目的とは正しい答えを見つけることではない。いずれにせよ、答えは間違っている。
 戦略の目的は、行動を起こすよう私たちを動機づけることにある。

本書の言っていることは大きく分けて二つある。

一つは、成功は私たちが考えているよりはるかにランダムに起きるということ。

もう一つは、個人や組織がランダムに起きる成功をつかみ、うまく利用するためにできる行動はいろいろあるということ。

私たちは、物事を分析すれば成功を手にする可能性が高まると信じ込むくせがついている。

鋭い論理は成功への近道だと信じている。

しかし、もし成功への道が論理的だったら、誰もがすぐにその道を発見できることになり、結局その道は効果的ではなくなってしまう。

成功し、ライバルを圧倒するためには、他者と違うことをする必要がある。

論理と予測を用いても、将来の成功を手にすることはできないということはこのことからも明らかである。

では成功を手にするためにはどうすればよいのか?

ただ単に偶然に身を任せればよいのか?

成功がランダムなものであっても、そのチャンスを掴むには方法がある。

第一に、「ボールから目をそらす」

第二に、「交差的に考える」

第三に、「好奇心に従う」

第四に、「予測可能な道を避ける」

以上の四つが紹介されている。

試してみてもよいのではないだろうか。

2014年10月14日 (火)

世界でいちばん大切にしたい会社/ジョン・マッキー

Photo どのコンシャス・カンパニーも、必ず存在目的を持っている。そしてそれは「なぜ我々は存在しているのか? なぜ我々は存在する必要があるのか?」といった根本的な疑問に対する答えなのだ。どのような貢献をしたいのか? 自社が存在していることで世界はどうして良くなるのか? なくなると世の中の人々は惜しんでくれるのか?

コンシャス・カンパニーとは、直訳すると「意識の高い会社」の意。

イケア、スターバックス、サウスウエスト航空などを取り上げ、企業のあるべき姿を提案している。

そしてコンシャス・カンパニーは、明確な存在目的をもっているという。

例えば、

ジョンソン・エンド・ジョンソンは「痛みと苦しみを和らげる」

サウスウエスト航空は「だれもが自由に空を飛べる機会を提供する」

BMWは「車を運転する人々すべてに喜びを提供する」

といった具合に。

どんな価値を提供するかが明確である。

そしてそれらの価値を提供するために商品やサービスがある。

決して逆ではない。

商品やサービスは価値提案の手段でしかない。

これが大事。

存在目的とは何か?

単純に言えば、それは自分がどうやって世の中を良くしようとしているのか、についての明確な意思表示である。

自社の目的を持ち、それをはっきりと、情熱をもって説明できれば、すべてが理に適い、すべてがよどみなく進むようになる、というのである。

すべての企業はこれを真剣に考える必要があるのではないだろうか。

2014年10月13日 (月)

置かれた場所で咲きなさい/渡辺和子

Photo 私は変わりました。そうだ。置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、決心することができました。それは「私が変わる」ことによってのみ可能でした。

本書のタイトルとなっている言葉は、著者が自信を喪失していた時、一人の宣教師から渡された一つの短い詩の冒頭の一行だという。

「置かれた場所で咲く」とは現状に対する妥協の言葉ではない。

仕方がないという諦めの言葉でもない。

現状に不平不満を持つのでなく、その場こそ自分の使命を与えられた場所だと信じ、そこで最大限自分を開花させる。

これが大事だということ。

もちろんこの土台にはキリスト教信仰があるのだが、信仰がなくとも大事な考え方ではないだろうか。

とかく人は、自分の置かれた場所に不平不満を持ちがちなもの。

しかし、それでは何も前に進まない。

人は誰も自分で選べないものがある。

親は自分で選べないし、生まれた時代も選ぶことはできない。

金持ちの家に生まれるか、貧乏人の家に生まれるかも自分では選べない。

当然、その家の経済力によってある程度、その後の人生の選択肢は決まってくる。

だからこそ、その置かれた場所に対する考え方が大事。

そしてその考え方一つで、実はその後の人生が決まってしまう。

その意味では、自分の置かれた環境をどう受け止めるかは大事なことだと思う。

2014年10月12日 (日)

勝ち組企業のマネジメント理論/大坪亮

Photo なぜ、ファーストリテイリングにはそれが可能だったのか。柳井が、ソニーの井深大や盛田昭夫、ホンダの本田宗一郎と同様に、卓越した起業家だからという要因はもちろんあるが、他の起業家と異なるのは、柳井は起業家であると同時に、プロフェッショナルマネジャー(プロの経営者)であるということだ。

本書の内容はマネジメントの入門書のようなもの。

なぜファストリテイリングは一頃あれだけマスコミに叩かれながら業績好調なのか。

それは柳井社長がプロフェッショナルマネージャーだからと著者は言う。

つまり、経営学をキチンと実行しているというのだ。

そして、この意味するところは、ファーストリテイリングほどの成長は難しいにせよ、マネジメント理論を、学び、模倣し、実践すれば、成果は出せるということ。

経営学は、難しくはない。

なぜなら、経営学は、後付けの理論だから。

つまり、はじめにビジネスにおける成功や失敗があって、それを観察して、法則やモデルを考え出すパターンが多い。

中小企業は、創業経営者が自らのカリスマ性で引っ張っていくという経営スタイルが多いが、

今は、中小企業といえども、キチンと経営学の基礎を学ぶ必要があるのではないだろうか。

2014年10月11日 (土)

アメリカは日本の消費税を許さない/岩本沙弓

Photo 消費税の引き上げは日本のグローバル企業にとっては、巨額の輸出還付金がもらえること、競合する海外製品には非関税障壁がかけられること、国内の新規ビジネスの隆盛を抑制できること、派遣労働者の賃金が仕入税額控除の対象になるためコストカットになること、などから非常に都合がよい。米財務省の言い分を参考にすれば新陳代謝の対象となるべき斜陽産業も既得権益にしがみつき生き残りができるというわけだ。内需型の中小零細企業は売上げに直接かかる税金のため経営が圧迫されるが、そうした中小零細企業が潰れてくれればこれまで中小零細企業向けにあった需要が大企業に引き継がれることになる。

今、消費税を8%から10%に上げるかどうか、その決断に注目が集まっている。

しかし、このことには、様々な利害関係者の思惑が絡んでいることが本書を読むとよくわかる。

消費税は非関税障壁であり、国内で消費税案が出るたびに、何らかの米国からの圧力がかかってきたという事実は初めて知った。

また消費税は米国から見れば、非関税障壁であり、TPPの議論と密接な関係があるという主張も面白い。

一方、輸出企業にとっては、本来消費税として回収すべきものが還付金として企業にわたされていることを私は全く知らなかった。

このような背景があることから、輸出で利益を上げている大企業中心の経団連が消費税引き上げに積極的なのも納得できる。

安倍首相は12月に決断するといっているが、その内容がどうであれ、その背後にうごめく思惑に目を向けるといろんなことがわかってくるのではないだろうか。

2014年10月10日 (金)

血管を強くする歩き方/木津直昭、稲島司

Photo ところで、大都市と地方では、どちらが脳卒中になる人が多いと思いますか?
 意外なことに、都会に比べて地方のほうが圧倒的に脳卒中になる人が多いのです。
 なぜでしょうか?
 主な理由として次の2つが考えられます。
・都会に住む人よりも地方に住む人のほうが塩分摂取量が多い。
・地方に住む人は近距離の移動にも車を使う傾向が強く、運動量が少ない。

この点は合点がいく。

特に二つ目の理由、

これは12年前、長年働いてきた東京から山口に戻ってきたとき、実感したことである。

多くの人は、田舎のほうが健康的な生活ができると思っている。

空気はきれいだし、食物も新鮮だと。

確かに昔はそうだったのかもしれない。

でも、今は、田舎ではみんな車を持っている。

一家に複数台持っている家庭もザラである。

移動手段はみんな車。

その結果、歩かなくなった。

これが実感である。

東京に住んでいたころは、生活の中でかなりの距離を歩いていた。

この生活習慣の違いがボディブローのように利いてくる。

今の時代、田舎に住む人は特に意識して歩くことが必要になってくるのではないだろうか。

気が付いたら血管ボロボロ、となってしまわないために。

2014年10月 9日 (木)

ホワイト企業/高橋俊介

Photo 成果主義の要である成果の再現性は、おもにその質に表れるのに、客観的で異論の出にくい、評価しやすい量的側面に偏ってしまったがために、短期思考やチームワーク阻害といった問題が出てきました。成果か能力かにかかわらず、ほんとうに大事な質的側面を測ることが重要なのです。

著者が言う「ホワイト企業」とは、社員がそこで働くことに働き甲斐を持ち、自律的キャリア形成ができるような企業のことを指す。

逆にブラック企業とは社員を使い捨てにする企業のこと。

しかし、ブラックと呼ばれる企業のなかには、確信犯的に「人は使い捨てでいい」という企業もそれなりに存在するが、

多くの場合、経営者や幹部が人材育成は重要だと思うものの、「具体的にどうしていいかわからない」という企業が、結果的にブラック企業に見えるというケースのほうがむしろ多いと著者は言う。

つまり人材育成をしようという意思はあるが、方法論がないというのである。

その意味では、一頃の成果主義の失敗は参考になる。

なぜ成果主義はうまくいかなかったのか?

様々な理由があるだろうが、大きなものとして「結果主義」となってしまったことがある。

短期に結果が出やすい仕事しか社員がやらなくなり、短期志向、個人主義が蔓延した。

結果として、成果主義はうまくいかなくなった。

しかし、著者は成果主義を否定はしていない。

むしろ、若い時こそ健全な成果プレッシャーを与えるべし、と言っている。

大事なことは、成果を表面的な数字で測るのではなく、質的な面を評価する仕組みを取り入れ、更にきちんとした支援をすることである。

今後多くの企業が取り組むべき課題だと思う。

2014年10月 8日 (水)

中国・韓国を本気で見捨て始めた世界/宮崎正弘

Photo 筆者は過去6回、インドへ出掛けているが、2014年にも、思い立ってインドへ取材に行った。ちょうど安倍首相がデリーを訪問中で、テレビニュースではトップ扱いされた。毎日、6紙ほどインドの英字新聞を読んだが、ことごとく安倍外交礼賛と日本の特集だった。日本に対して好意的かつ戦略的で、しかも地球を俯瞰するかのように日本外交を分析している。中国の日本罵倒とは天と地の差がある。

我が家は日経新聞と毎日新聞をとっているのだが、その記事を読んでいると、日本は世界で孤立しているような印象を受ける。

ところが、自分の足で世界中を回り、取材をしてきた著者によると、日本は決して孤立していない。

日本で右翼だと批判されている安倍首相などは、アジア各国で、大歓迎を受けている。

そしてむしろ孤立しているのは中国と韓国だということがわかってくる。

最近も朝日新聞の誤報(捏造)記事が問題になっているが、これは何も朝日だけではない。

日本のマスコミ全体が、かなり偏っていると思って読んだほうがよさそうだ。

2014年10月 7日 (火)

悪魔のサイクル/大前研一

Photo 私は「散歩することによって、根詰めた状態から解放され、より良いアイディアが出てくる」と主張しましたが、
「とにかくみんなが席についてるんだから、着いて下さい。こんなところを散歩してたらみっともないですよ」
「あなたは将来の指導者、そういう立場で日立に入っているんだから、一般の人たちから見たら、なんでそんなおかしなことをやるのか、と思われるようなことはしないほうがいいですよ」と。こういう風に諭すのです。
 残念なのは、こういった現象が未だに一部の企業では存在するという事実です。クリエイティブな仕事をしている人たちのクリエイティビティを最大限引き出すにはどうしたらいいか? という人事制度ではなく、全ての社員が等しく同等にという形で組まれている人事制度に、クリエイティブな人たちを同じように当てはめようとします。とにかく縛るということが会社の秩序、という風にです。

本書は著者が40年前に書いた本を改定したもの。

内容は、著者が書いていた日記をまとめたもの。

これを読んでみると、当時から著者がいかに日本人の物の見方や考え方に疑問を持っていたかがわかる。

上記抜書きは、著者が日立に在職中のエピソード。

午後、裏庭を散歩していると人事部の人が走ってきて、

「みんなが席についているときに、なんであなたは席についてくれないんですか」と注意された、と。

日本の組織はみんなと違うことをやることを極端に制限する。

そのため金太郎飴的な社員になってしまう。

これでクリエイティビティな発想など生まれるはずがない。

しかし、このような「出る杭は打たれる」的な風土、

今も全く変わっていないような気がする。

まさに「悪魔のサイクル」である。

2014年10月 6日 (月)

コンプライアンスが日本を潰す/藤井聡

Photo ところが、こうした日本人の精神そのものが、今、根底から壊され、2000年の長きにわたってこの日本列島の上に生息し続けてきた「日本という一つの生き物」が、今まさに息を引き取ろうとしているのです。そしてその崩壊に大きく貢献しつつあるもの──それが、「コンプライアンス」なのです。

「コンプライアンス」とは「遵守」とか「従順」ということ。

普通の言葉で言えば「従う」ということ。

では何に従うのか。

本書で著者が挙げているのは、「日本国憲法」であり「新自由主義」。

例えば、日本国憲法。

今の憲法は、当時日本を占領していた一部のアメリカ人たちが、彼等が理想とする社会を築き上げるために書き上げたもの。

ところが「自由・平等・博愛」を象徴的なキーワードとする彼等の理想と、現実の「日本」との間は大きく乖離している。

ではその場合、どうするのか、他国が作った憲法に「コンプライアンス」するのか?

そうではなく、憲法が日本の国体と大きくかい離しているのであれば、憲法を変えるべきではないのか。

そういう議論が起こって当たり前なのだが、それがなかなか進まない。

今の日本、「コンプライアンス」という言葉が独り歩きしているような気がする。

政治の世界でも、企業経営の世界でも「コンプライアンス」という言葉が伝家の宝刀のように使われる。

そうするとそこでみんな思考停止してしまう。

この風潮、何かおかしい。

2014年10月 5日 (日)

駆け出しマネジャーの成長論/中原淳

Photo ある会社で数十人のメンバーを率いている課長が、いつものようにメンバー全員を集めて朝礼を開き、そのしめくくりに、忘れていたことを思い出したかのような小声で言いました。この職場のメンバーは、いわゆる正社員から、派遣社員、短時間勤務の契約社員、パート・アルバイト、嘱託職員など、多種多様な雇用形態のメンバーからなっています。 「……今日は暑いし、景気づけにみんなで飲みに行こう」
 そのひと言にメンバーは凍りつき、ざわざわし始めたそうです。おかしいなと思った課長は、近くにいた派遣社員の女性メンバーに訳を尋ねました。すると女性は言ったそうです。
「私は〝みんな〟に含まれるんでしょうか。皆さんが疑問に思っているのは、自分が〝みんな〟に入っているかどうか、わからないからだと思います」

今のマネージャーは本当に大変だ。

昔は部下は全員、自分より年下の正社員だった。

ところが、今は派遣、期間雇用、請負、嘱託、パート、外国人、等々、種々雑多である。

部下が年上というケースも珍しいことではない。

多種多様なメンバーをどうマネジメントしていくのか。

能力もキャリア意識もモチベーションも、組織や職場に対するコミットメントも異なるメンバーたちを鼓舞しなければならない。

深刻な問題である。

以前のように「俺についてこい」型のマネジメントでは全く通用しない。

「ノミュニケーション」も限界がある。

少し厳しいことを言えば、パワハラだといわれる。

昔のように「立場が人を育てる」と言って、ただ課長や部長という役職を与えれば、自然に育っていくというのはもはや幻想である。

マネージャーをひとつの専門職としてとらえ、きちんとした教育研修をしていくことが求められているのではないだろうか。

2014年10月 4日 (土)

おかげさまで生きる/矢作直樹

Photo しかたがないというのは、理不尽な状況を粛々と受け入れる心です。この感覚は欧米人には理解が難しいでしょう。彼らは合理主義的に動くことを好み、日本人の言う覚悟の真意が理解できません。
 しかたがないという言葉は、あきらめの境地で使うのではありません。
 自分の力(自力)ではどうしようもない状況に際して、それもまた人生と、まずはその状況を受け入れることで大きな学びを得ることができます。人智を超えた存在によることだと、ちっぽけな人間にはどうにもしようがないという心構えが必要なのです。

心肺停止状態から後遺症もなく社会復帰できる限界は10分間と言われているという。

正に、この10分間が生と死の境目だといえる。

しかしながら、皆が皆、きっちりと10分間で決着するわけではない。

心肺停止かから8分間で亡くなる人もいれば、12分間が経過しているにも関わらず蘇生する人もいる。

これが命の不思議であり、神のみぞ知る世界。

著者は、医師として数えきれないほどの生と死の境を見てきたという。

つまり人間の力ではいかんともしがたい世界がある、

そこから「しかたがない」という言葉が生まれる。

「しかたがない」とは単なる諦めの言葉ではない。

ニヒリズムでもない。

むしろ、人知を超えた存在を知った者の、畏敬の言葉であるといえる。

このような考え方を身に付けることによって、人生に味わいと深みが増してくるのではないだろうか。

2014年10月 3日 (金)

「空気」で人を動かす/横山信弘

Photo なぜ「空気」が悪いと問題なのか──。
 それは、まじめに頑張っている人が報われないからです。その一点に尽きます。
「真剣にやるのがバカバカしい」
「やってもやらなくても同じ」
「メリットがないのにやるはずがない」
「やらされ感を覚えるのでできない」
 こういった後ろ向きな物言いは、すべて「場の空気」が言わせていることです。

「空気」を問題にするのは日本人くらいなものであろう。

しかし、日本で、たとえば集団を動かそうとするならば、「空気」を無視するわけにはいかない。

まず「空気」を変える。

これができなければチームマネジメントは失敗する。

それほど「空気」は重要である。

著者によると、「場の空気」には4つの種類があるという。

それは「締まった空気」「緩んだ空気」「縛られた空気」「ほどけた空気」の4種類。

もちろん「締まった空気」が理想である。

「空気が変わる」ということは、これまで「当たり前」「普通」だと受け止めていたことが、そうではなくなっていくことを指す。

空気は、その場における価値基準。

つまり、新しい価値観が入り込み、浸透していくことで「空気」の変化が起こる。

8か月で空気は変えることができるという。

実行してみる価値はありそうだ。

2014年10月 2日 (木)

9タイプ・コーチング/安村明史

9 「エニアグラムを学ぶことは、セルフコーチングと同じです。普段気づくことができない、自分の恐れや欲求、不足部分に気づけるからです。つまり、自己の本質的な成長を継続的に促すコーチングの仕組みなのです。ヒューマンスキルをアップさせなければならないこれからのリーダー・マネージャーには、是非、身につけていただきたいツールです」

昨日に引き続き、エニアグラム関連の書籍を読んでみた。

本書はエニアグラムとコーチングを合わせたもの。

コーチングは一時日本でも大ブームになったが、今は少し沈滞気味である。

私自身も研修を受けたことがあるのだが、基本的な考え方は「答えは相手の中にある」というもの。

だからコーチはその答えに気づかせるために質問を繰り返す。

ところが実際にやってみると、これがなかなかうまくいかない。

なぜか。

相手が答えを持っていないことが意外と多いから。

つまり前提が間違っているので、コーチングがうまく機能しない。

コーチングが間違っているのではなく、コーチング、プラスアルファが必要だということ。

そのプラスアルファの部分としてエニアグラムが有効だというのが本書でいっている事。

エニアグラムでいっていることは「人間は生まれながらにして九つの気質のどれかに属し、しかもそれは一生涯変化しない」というもの。

確かに、エニアグラムを学ぶことによって、「本当の自分」に気づかせることができる。

深堀すれば、有効がツールのひとつになりそうだ。

2014年10月 1日 (水)

9つの性格/鈴木秀子

9 エニアグラムがめざしているのは、分類ではなく、あなたを衝き動かしているエネルギーをバランスのとれた状態にもっていくことにある。エニアグラムでは、すべての人間が、自分では自覚していないすばらしい能力をもっているとする。そしてまず本当の自分、つまり本質を探し出し、それを前提にあなたにまとわり付いているこだわりやためらい、恐怖、過信などを自覚し、あなたの〝本当の可能性〟を伸ばすためのバランスを回復させるのだ。タイプ分けは、こうしたエニアグラムの恩恵を受けるためのスタートラインなのだ。

先日、エニアグラムの研修を受けてきた。

その関連本として本書を読んでみた。

それによると、私は「タイプ9」だということ。

タイプ9とは、「平和主義者」、人物にたとえると「ドカベン」タイプだという。

例えば、タイプ9は、本能を感情と思考の代わりに用いる。

その弊害が、同じ知識や思考法を好み、同じ友人としか付き合わないというライフスタイルを生む。

なぜなら本能は変化を好まないから。

この本能が、思考や感情を司る中枢の代用品となるので、タイプ9の思考活動や感情活動は、惰性的なものになりがち。

しかしタイプ9は、こうしたライフスタイルに特別問題を感じていないことが多い。

口癖は「まあまあ」「だいたい」「何となく」

ということ。

確かに当たっている。

« 2014年9月 | トップページ | 2014年11月 »