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2014年10月26日 (日)

エンデの遺言/河邑厚徳

Photo エンデは、かつては過去の文化や歴史を学ぶことで、現代の問題にどう対処すべきかが了解できたが、私たちがいま向き合っている「お金」の問題では、どう考えるべきかの規範が過去には何もない。したがって、未来を想定し、何が起きてくるのかを予言的に直視しなければならない、と語っています。それは、人間に与えられたイマジネーションの能力に依らなければならないということでもあります。問題解決を過去からではなく、未来から考える。それがエンデの依って立つファンタジーの力なのです。

ファンタジー作家であるエンデは、自らの使命を上記のように語っている。

今や「お金」の問題では、過去に規範とすべきものが何もない、と。

確かに1971年にニクソン大統領が金とドルの交換停止を発表し、翌年から変動相場制に移行した。

それ以来、今日まで、私たちは前例のない経済を生きてきている。

お金が自己増殖し、お金がお金を生み出す世界の到来である。

今、アメリカでは、人口の1%が、その他の99%よりも多くを所有しているという。

一方で、どんどん貧しくなる国があり、自然環境も奪われつづけていく。

その一方で少数の者たちが、法外な利益を吸い上げていく。

それがいまの経済システム。

金融工学という素人目には全くわけのわからない世界でお金が生み出されていく。

今や世界中のお金は何によっても担保されず、ただ信用だけで成り立っている。

その信用が揺らいだとき、ドミノが起こり、お金は単なる紙屑になる。

その一つの現象が2008年のリーマンショックである。

今後、同様のことが、またはそれ以上のことが起こるかもしれない。

少なくとも、私たちの生きている世界は、そのような不確かな土台の上に成り立っているという自覚は持つべきではないだろうか。

エンデもそのようなことを警告していたのではないかと思う。


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