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2014年10月31日 (金)

「良心」から企業統治を考える/田中一弘

Photo 良心を動機として仕事をするほうが、自利心を動機としてするよりも当てになる。当てになるというのは、その仕事を忠実に遂行する可能性が高い、ということである。言い換えれば、動機としての良心は自利心より「信頼性」が高い。
 なぜ良心の信頼性が高く、自利心のそれは低いのだろうか。それは良心の歓びはなすべきことを本当になさなければ得られないが、自利心の快さはなすべきことをしたふりをするだけでも得ることが可能だからである。

一昨日受けたセミナーで本書を紹介されたので読んでみた。

本書で言っていることは、「良心に働きかけることによって企業統治をせよ」ということ。

本書において企業統治とは「経営者がなすべきことをし、なすべからざることをしないように、させること」を意味する。

「良心」に働きかけるというと「そんなのきれいごとだ」「現実はそんな甘いものではない」と言われそうだが、著者はこれを真摯に論じている。

まず「与える良心」「応える良心」「求める良心」の三つが、なすべきことを実行する動機としての良心。

そしてこれらには様々な哀歓が伴う。

整理してみると、①利他の哀歓、②実践の哀歓、③創造の哀歓の三つに分けることができる。

大まかに言えば、①は人の役にたつこと、②は義務を行い果たすこと、③は何かを生み出すこと、にかかわる。

それをなすことによって、それぞれ①利他の歓び、②実践の歓び、③創造の歓びが生まれる。

逆にそれをしないと、①利他をしない哀しみ、②実践をしない哀しみ、③創造に反する哀しみが生じる。  

これらを念頭に良心に働きかけて企業統治をすべし、というのである。

そしてそれを無意識のうちに実践していたのが「日本的経営」であり、そこに強さの源泉があった。

ところが欧米型の合理的な企業統治の手法が入ってきたため、日本的経営の良さが失われ、それとともに衰退していったというのである。

確かに欧米型の企業経営に限界が見ている昨今、このようなアプローチは考えてみる価値はあるのではないだろうか。

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