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2014年11月24日 (月)

日本国憲法の二〇〇日/半藤一利

Photo 重要な政治部門担当の民政局の局長ウィリアム・E・クリスト准将と次長ケーディス大佐がこんな会話を交わしたことが、児島嚢発掘の記録にとどめられている。
 「このような国家の根本を変えるような大手術を、わずか一年半ないし二年でやろうというのだ。相手はアジアでもっとも頭のいい、手強い日本人なんだ。名案はあるかね」
 「いいえ、そんな結構な名案のあろうはずはありません。でも、ひとつだけ必要条件が考えられます。法治国家は、法に従って国家運営がなされます。ですから、政治の根本を変革するには、法を変えることです。とくに憲法を変えればよいわけであります」
 「そうなんだ、憲法というものがあったな」とクリストがいう。
 ケーディスは目を輝かせて答える、「ですから、われわれの望むような政治ができるように、憲法の改革を日本政府に要求すべきと考えます」。
 両軍人とも狙いどおり事態が運ぶかどうかそれほどの自信はもてない。ただし、言葉を交わしつつそれこそがいちばんの良策と確信するのである。

本書では、戦中から戦後にかけての時代を同時代を生きた著者の実体験を交えて述べている。

戦後のGHQの占領政策、はワシントンからの「降伏後における米国の初期の対日方針」通達指示に基づいたもの。

その政策は日本の「非軍事化」と「民主化」を占領の二大目的としている。

第一に、武装解除ならびに軍国主義の抹殺は、日本占領の主要任務であり、即時、断固として遂行されなければならない。

第二に、ワシントンの意図する「民主化」とは、帝国主義の復活を防止するための手段。

要は日本への懲罰と軍事的無力化である。

しかし、これらの国柄を変革するような大方針を、敗れたとはいえ、日本側が反抗することもなく、スムーズに実行に移すであろうか、GHQの幹部はかならずしも自信はなかった。

そこで、GHQが考え出したものが新憲法の制定であったことが記録に残っている。

しかし、この新憲法という妙薬、効きすぎた面があるのではないだろうか。

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