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2014年11月21日 (金)

ザッポスの奇跡/石塚しのぶ

Photo 私は、この先、企業文化がはっきりしていない会社はやっていけないのではないかと考えています。自分たちの価値観を見極め、世に宣言し、それに共感してくれる人たちを集めて、彼らの協力を得てやっていかないと強い会社にはなれないでしょう。会社が「企業文化をもつ」ということが、昔は選択肢のひとつにすぎませんでしたが、今日ではそれが、生き残っていくための必須条件になるのではないでしょうか。

ザックスは全米№1のネット靴店である。

過去5年間の売上で1300%の成長、リピート顧客率75%、創業10年足らずで年商10億ドル突破という、目覚ましい成果をあげている。

この躍進と成長の秘訣はどこにあるのか?

本書を読んでみてわかったことは、良い企業文化が良い商品やサービスを生みだし成長の原動力になる、ということ。

そしてその根本にあるのは「価値の共有」

採用も評価も戦略の選択も、すべてコア・バリューが判断の中心になっている。

価値に合致しない社員は採用しない。

業績を上げても会社の価値に合わない人には辞めてもらう。

会社の価値に合わない行動は評価されない。

すべて「コア・バリュー」が核となっている。

だから、ザッポスのコンタクトセンターにはマニュアルはない。

個々の顧客からの問い合わせについて、どういった対応をするかということは、電話に出るコンタクトセンターのスタッフ、一人ひとりの判断に任されている。

顧客に触れる個々のスタッフは、あくまでひとりの人間として、一人ひとりの顧客と向き合う。

結果として生まれるのは、社員にとっても顧客にとっても、「忘れ難い体験」

ザッポスでは、このような感動秘話が毎日のように生まれている。

これを、ザッポスのCEO、トニー・シェイは、「幸せのデリバリー」と呼ぶ。

社員に、顧客に、幸せを届けること。それが、会社を長期的繁栄に導く最強の戦略なのだと。

ザッポスにとっては「顧客の感情体験」こそが売り物であり、一時の利益をあげるより、そのほうがずっと重要。

「親切にしてもらったから、次はあの会社から買おう」いい体験をした顧客は、必ずまた戻ってくる。

「お客さんは、『何をしてくれたか』は覚えていないかもしれない。でも、『どんな気持ちにさせてくれたか』は決して忘れない」

それが、トニー・シェイが言う、企業戦略としての「幸せ」の理屈である。

顧客は「ものを買いに」ではなく、「そこでしか得られない体験」を求めて、ザッポスにやってくる。

アメリカにこんな会社が存在しているということ自体が驚きである。

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