となりの脅迫者/スーザン・フォワード
ブラックメールを発信するには、訓練と練習が必要だ。誰がその訓練をさせているのだろうか。
それは、あなただ。あなた以外のいったい誰に、絶対的な確実さと正確さで、「それが私に効くやり方だ」「その種の圧力をかけられると、私は必ず屈服する」「それこそ私のいちばん敏感な場所を探る特別あつらえの道具だ」ということをブラックメール発信者に知らせられるだろうか。
ブラックメールとは、身近な他者に自分の要求を通すために発信する脅しや圧力といった「心理的脅迫」のこと。
私たちにの周りには、このようなブラックメールの発信者が多く存在する。
「本当に私のことが好きなら……」
「ぼくを見捨てないでくれ、そんなことしたら、ぼくは……」
「あたしを助けられるのはあなただけなのよ……」
「きみさえ……すれば、いろんなことがうまくいくのに」
……と、
これらの言い方はどれも要求を突きつけるための手段として使われる。
特に脅しているような言葉には聞こえず、また発信している本人も無自覚のことが多い。
しかし、これらの言葉は、聞く者の行動を明らかに縛る。
そしてブラックメールの発信者は、受信者がそれに呼応することによって増々力をつける。
言ってみれば、ブラックメールの発信者を増殖させているのは、実はその受信者だということ。
ブラックメールの発信者に対して毅然とした態度でNOを言うことがいかに大事なことであるかを本書は教えてくれる。
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