マーケティング発想の人財採用戦略/杉田英樹
したがって、採用時点のときだけにいいかっこうをするのではなくて、少なくともどんなキャリアを会社で過ごしてもらうかというところまでを、価値としてつくりこんでいく必要があると思います。採用のことだけではなくて、入ってからのことに価値をしっかり置いて、内定者の辞退、あるいは早期の退職ということをなくすような、そういう人事制度、あるいは人事配置、社内のカルチャーの改善というところまで、視野を広くしていく必要があるわけです。
採用にもマーケティングの発想を、というのが本書の主張していることである。
マーケティングと販売とは全く逆の発想をする。
販売とは短期的な売り上げや利益をとる活動。
ある程度決められた仕事を分担して、効率的にやっていく。
目的としては今日の糧を得ること。
一方、マーケティングとは長期的な目線で成長の仕組みづくりをしていくというもの。
そのためには、お客さんが望むことをつかみ取り、そこを基点にして事業を組み立てていく必要がある。
今、多くの企業で行われている採用は、短期的に今年これだけいるからこれだけ採ろうという考え方が中心となっている。
これはこれで現場をまわしていくことでは非常に大事なこと。
しかし、もう少し長期的な見方で人財をどう採っていこうか、そういうことを目的として、魅力的な働く場をつくっていこう、
そのために、会社という働く場をどう魅力的にして、それ自体をいかに価値として形成していくかを考えていこう、というもの。
今、新卒の3割が3年以内に辞めてしまうことが問題になっている。
一方、今の若者は自分のキャリア形成には強い関心を持っている。
それらのことを考えても、今後、採用にもマーケティングの発想を取り入れることは大事なことではないだろうか。
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