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2014年11月18日 (火)

「キレ」の思考「コク」の思考/村山昇

Photo 「キレ=鋭さ(sharpness)」は能力の問題であるが、「コク=豊かさ(richness)」は存在の問題である。真に力強い思考は、能力を高めることを超えて、存在からの湧き出しが渾々となければ実現されない。

「キレ」と「コク」で思い出すのが、「コクがあるのにキレがある」というアサヒ、スーパードライの宣伝文句である。

でも、このこの単語の意味を本書を読むまで深く考えたことがなかった。

「キレ」とは、カミソリのような鋭さを連想させる。

物事を分析的に論理的に、具象的で直線的に、明瞭さを追求しながら考えることを意味する。

一方「コク」とは奥行を深さを連想させる。

物事を綜合的に直観的に、抽象的で非直線的に、ある種の曖昧さを友としながら考えることを意味する。

両方とも大事なことなのだが、昨今のビジネスの現場では、前者の「キレ」ばかりが強調されているように思える。

書店に行けばロジカルシンキング、戦略思考、統計学、クリティカルシンキング手法等の書籍であふれている。

確かに今のビジネスパーソンは、データを集め分析することは巧みになったし、定型化された戦略フレームシートに文字をぎっしり埋めることも上手になってきた。

しかし、物事を本質を掴もうとする場合、これらの手法を用いるだけで、ちょうどカミソリで切るようにスパッと切れ味鋭くいくのか?

非常に疑問である。

そして同じように合理的に物事を考え、戦略を立てた場合、どこも同じ答えしか出てこない可能性が出てくる。

戦略には独自性が求められることを考えると、これでは意味がない。

つまりこれらの手法は合理的ではあるが、「何かが欠けている」という印象をぬぐいきれない。

そこで出てくるのが「コク」の思考である。

日本人は、元来、「コク」の思考においてこそ独自性を発揮してきたのではないだろうか。

今こそ「コク」の思考を再評価する必要がある。

それによってはじめて、グローバル化する市場のなかで、安さ競争を超え、コモディティ化圧力に抗うことのできるモノやサービスを生み出すことができるのではないだろうか。

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