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2014年12月27日 (土)

日本の職人技/永峰英太郎

Photo 「00(平成12)年のシドニーオリンピックの前に、高橋の足を測定したら、左脚が8ミリ長かったんです。それで、厚さの違うシューズを作ったのですが、アメリカ・ボルダーの合宿中に、そのシューズを履いて練習していた彼女が『左と右の厚さが違うと、何か違和感がある。やはり同じ厚さにしてほしい』って私に言ってきた。メンタルな部分なので、このままでは走りに影響が出てしまうかもしれません。しかし、同じ厚さにしたら、必ず悪い影響が出る確信もありました。どうすればいいのか、かなり悩みましたね」

一流のアスリートにとって身に付けるシューズやグラブやバットは単なる道具ではない。

身体の一部である。

事実、一流のアスリートは身に付ける道具に独特のこだわりを持つ者が多い。

そしてそれを支える一流の職人がいる。

本書はその職人にスポットを当てたものである。

例えば、高橋尚子や野口みずきのシューズを作った三村氏。

彼は「選手の要望を100%聞き入れたシューズ作りでは、選手を満足させることはできない」という。

その一つの例が高橋選手とのエピソード。

高橋選手の左脚が8ミリ長いことから、それを修正するシューズを作って履いてもらったら「違和感がある」との答え。

もし選手の言うことを聞くだけだったらプロとは言えない。

そこで三村氏は本人には内緒で左右で8ミリ、高さの違うシューズを上手にマモフラージュして使ってもらったという。

結果、高橋選手は見事オリンピックで優勝。

高橋選手がその事実を知ったのは、金メダルを取った2日後。

挨拶に来た高橋選手に本当のことを告げたら驚いていたという。

「プロとは何か」ということを考えさせられるエピソードである。

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