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2014年12月29日 (月)

構造改革論の誤解/野口旭、田中秀臣

Photo 日本における中間管理職は、「みせびらかし効果」の要素を多分に含むので、その職階と能力が一義的にリンクしてはいない。つまり、役職が高いことが高い能力を示すとはいえない。

本書に述べられている構造改革論については、正直よくわからないのだが、日本の中間管理職の問題については仕事でも実感している部分である。

多くの場合、日本の中間管理職は部下と同じ仕事をしている。

プレイイングマネージャーも日本でしか存在しないという話も聞いたことがあるが、それどころかプレイしかしていないマネージャーも多く存在する。

では、それがどんな意味を持つのか。

著者はそれは「みせびらかし効果」だと述べている。

つまり、部下と同じ仕事をしていて部下より高い給料をもらっている上司がいるということは、

「この会社で長く働き続ければやがてはあなたもあのようになれる」

というメッセージを送ることになる。

それは仕事へのインセンティブを与えるみせびらかしの効果として機能してきた。

「みせびらかし効果」とは、人々の労働意欲には、名誉や地位、さらには権力欲などの感情も大きく作用することに注目した概念だという。

日本では中間管理職は、意思疎通や意思決定の媒体という「職能」において必要とされているというよりも、「みせびらかし」の要素が強いというのである。

ところが、今はそれが逆の効果をもたらしているように感じる。

バブル崩壊後、日本の企業はリストラを進めた。

真っ先に手を付けたのは、中間管理職である。

部下と同じ仕事をしているにも関わらず、2倍の給料をもらっている、いわば「含み損社員」

そこがリストラの対象となったのは、合理的に考えれば当たり前の話である。

バブル崩壊を経て、今や中間管理職は「みせしめ効果」をもたらす存在に変わった。

つまり、「おまえも努力しなければあのようになるんだ」という負のメッセージである。

これは本人にとっても会社にとっても不幸なことである。

日本の多くの組織こそ「構造改革」が必要なのではないだろうか。

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