マッキンゼー流入社1年目問題解決の教科書/大嶋祥誉
思考を深めるという作業が、どうすればうまくできるのか。じつは、その鍵をにぎっているのは母国語の能力だと思うのです。
本書は、マッキンゼーに入社した新人が、1年目に身に付ける様々な仕事術やフレームワークについて紹介している。
ただ、読んで感じたのは、たとえばフレームワークを使うにしても、ただの物まねではあまり効果がないのではないかということ。
マッキンゼー流の「問題解決」の技術も、使いこなす前提には、言語力の深さが要求される。
なぜなら、マッキンゼーには知的レベルの高い人しか入社できないから。
それ以外の人は、入社の時点でふるい落とされる。
つまり、ある程度の知的レベルがあることを前提に訓練が与えられるのである。
一般の人は、まずは、そのための基礎力を身に付ける必要があるのではないかということが率直な感想である。
そしてそのためのカギを握っているのが日本語の能力。
日本人である私たちは日本語で考える。
日本語での語彙の豊富さがなければ、思考を深めることはできないであろう。
その意味では、幼い時から英語を習得することも、必ずしもプラス面ばかりではないということは言えるのではないだろうか。
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