「レジリエンス」の鍛え方/久世浩司
経験した人であればご存じだと思いますが、失敗やミスをして一度精神的に落ち込むと、そこから元の状態に戻るだけでも難しいものです。海で渦に巻き込まれたが、何とか渦から脱出することができた。しかし次に待ち構えている挑戦は、海上まで泳いで上がることです。そのためには重力に逆らって上昇するための筋力と効率的に泳ぐためのスキルが必要となります。それが困難に立ち向かう力であり、逆境を乗り越えて再起するために重要な心理的筋肉なのです。本書で紹介しているレジリエンスの開発者である英国のイースト・ロンドン大学のイローナ・ボニウェル博士は、この筋肉を「レジリエンス・マッスル」と名付けました。
レジリエンスとは、逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス、のこと。
失敗を怖れて行動回避する癖を直し、失敗をして落ち込んだ気持ちから抜け出し、そこから目標に向かって前に進むことのできる力、それがレジリエンス。
失敗したことがないという人はいない。
もし、そのような人がいたとしたら、失敗しない程度のことにしかチャレンジしていないから。
高い壁を乗り越えようとすれば、失敗することは避けられない。
問題は、失敗を糧にして成長し続け、更に難易度の高いことに挑み続けるか、
それとも、失敗によって挫折し、二度とチャレンジしなくなってしまうかどうか、ということ。
当然、前者のような生き方をしたいものだが、そのためには「レジリエンス・マッスル」を鍛える必要がある、とのこと。
筋肉はきちんとしたメソッドのもとトレーニングすれば、誰でも鍛えることができる。
同様に、レジリエンス・マッスルを鍛えるのも、キチンとした方法論があるという。
ぜひ、身に付けたいものである。
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