キング牧師とマルコムX/上坂昇
前途に困難な日々が待ち受けている。しかし、わたしにとっては、どうでもよいのです。山の頂上に登ってきたのですから。もうよいのです。誰しも同じですが、わたしも長生きがしたい。長生きにはそれなりの意味があります。しかし、いまとなっては、それも気にかけていません。神のおぼしめしを行いたいだけです。神はわたしが山に登ることをお許しになった。周囲を見渡して、約束の地を見たのです。あなたたちといっしょに、そこには行けないかもしれない。しかし今晩、知ってほしい。わたしたちは一つの民として、約束の地に着くのだということを。今宵、わたしは幸せです。心配することは何もない。誰をも恐れていない。主の再臨の栄光をこの目で見たのですから。
上記は、キング牧師の最後の演説。
自らの死を予感していたのか、キング牧師は演説の最後を自分の死を予告する内容で締めくくっている。
この演説の翌日の夕方、食事に出かけようとしているとき、キング牧師はモーテルのバルコニーで狙撃された。
病院に担ぎこまれたが、間もなく息を引き取った。
39歳だったという。
キング牧師というと、
「わたしには夢がある。いつの日にか、ジョージアの赤土の丘の上で、かつての奴隷の子孫とかつての奴隷主の子孫が、ともに兄弟愛のテーブルにつくことができるだろう、と。……」
という演説がすぐに思い出される。
キング牧師の言葉には力がある。
リーダーとは、自らが発する言葉によって、人々を感動させ鼓舞し動かすことのできる人だといえよう。
その意味でも、リーダーは言葉を持たねばならない。
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