住んでみた、わかった!イスラーム世界/松原直美
イスラーム社会では許されない発言があります。たとえば、イスラームの教えや預言者たちの批判です。これを言うとお縄になりかねません。
今、表現の自由が問題になっている。
発端は、風刺週刊誌を発行している「シャルリー・エブド」本社に覆面をした複数の武装した犯人が襲撃し、12人を殺害した事件。
基本的に表現の自由は守られるべきである。
しかし、相手の嫌がることを何の配慮もせずに表現してもよいのか?
これには少し疑問符がつく。
例えば、今回問題となった預言者ムハンマドを題材にした風刺画。
これはイスラームの人にとっては許せない行為ではなかろうか。
暴力に訴えるのは間違っていると思うが、気持ちはよくわかる。
イスラームには他にも様々なタブーがあるという。
例えば、日本の民放テレビ局のバラエティ番組制作チームがザーイド大学へ来校したときのこと。
司会者は女子学生に、ある日本人男性お笑いタレントの容姿について感想を求めた。
しかし、UAE人は異性のことについてそれが褒め言葉であったとしても公にコメントすることはよくないと考えている。
学生たちがインタビューの質問に答えられなかったという。
これなども、明らかに相手の文化についての理解不足である。
他に、人間を動物にたとえるのも極めて失礼。
日本の動物占いはイスラーム教徒とはやらない方が無難。
同性愛に関することは冗談でも言ってはいけない、等々。
異文化、異民族の紛争が絶えない、昨今、非常に考えさせられる。
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