「うつ」とよりそう仕事術/酒井一太
うつ病を患うと、その頭の中がいちばん信じられない場所なのです。信じられない場所で手順を思い浮かべても、やはり信じられません。ところがGTDでは、「頭の外で管理する」ことを提唱しています。ここが最大のポイントです。信じられない頭ではなく、頭の外に細かく手順を書き出し、客観的にこの手順で間違いないという確証を得ることができれば、間違いなく仕事は前に進められます。ですから、私はうつ病を患っている人に最適な仕事術は「GTD」だと考えています。
今、「うつ」が社会的な問題になっている。
中には怪しいものもあるのだが、著者が患ったのは正真正銘の「うつ」である。
うつ病になっても、ずっと仕事を休んでいるわけにはいかない。
ずっと休み続けておれるほどの蓄えのある人はそれほど多くはない。
やがては職場に復帰しなければならない。
でも、それでまたうつが再発すれば元も子もなくなってくる。
そこで必要なのが、本書のタイトルにもあるような、『「うつ」とよりそう仕事術』である。
その中でも特に印象に残ったのは、上記抜書きにも出てくるGTDという手法である。
GTDとは、デビッド・アレン氏が提唱するワークマネジメントシステム。
「GettingThingsDone」が正式名称。
頭文字をとってGTDと呼ばれている。
端的にこの仕事術をご説明すると、「気になることすべてを、頭の外で、もう気にならない形で、最新を保ちながら管理する」ということ。
そしてこれは
1収集ステップ
2処理ステップ
3整理ステップ
4レビューステップ
5実行ステップ
と、5つのステップになっている。
いわゆる、これまで頭の中で行っていたことを書き出すということ。
著者はこれによって、不安から解放されたといっている。
確かに不安とは不確かなことから起こる。
それを書き出すことによって明確になり、不安から解放されるというのはよくわかる。
GTDは別にうつの人のための手法ではない。
ビジネスマンの仕事術の一つである。
やってみる価値はあるのではないだろうか。
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