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2015年4月28日 (火)

悪いのは私じゃない症候群/香山リカ

Photo 攻撃は最大の防御なりとばかりに自分を守り、「悪いのは全面的にそっちだ」と他罰的に相手を攻撃する「ギスギスした職場」が、結局はすべてを崩壊させてしまう。現在の「ビジネスパーソンのうつ病」をめぐる事態は、まさに企業と労働者の〝他罰合戦〟と言えるのではないだろうか。

「悪いのは私じゃない」と必死に自分の正当性や責任のなさを強調しようとする人が増えている、と著者は言う。

そのせいで、自分も結局はさらなる窮地に陥り、「あなたのせいですよ」と責められた人との関係も悪くなる。

それが広がれば、社会全体の雰囲気も悪くなる。

いわば、世の中全体が「悪いのは私じゃない症候群」にかかってしまったかのよう。

かつて、日本人は「私が悪うございました」と何でも自分のせいにして、謝罪、おわびばかりすると言われていた。

企業の不祥事でも学校の事故でも、必ず経営者や校長らが並んで、カメラの放列の前で「申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げる。

「社員は悪くないんです」とカメラの前で号泣した社長もいた。

しかし、これは「私が悪うございました、申し訳ありません」と一方が頭を下げると、もう一方は「まあまあ、そんなに自分を責めないで」などと、相手を大目に見て許すという相互の暗黙の約束事があったからこそ成り立ったもの。

いかにも日本的な人間関係が根底にあったような気がする。

そう考えると、今、その人間関係そのものが変わってきたといえるのかもしれない。

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