「謎」の進学校麻布の教え/神田憲行
麻布の行事や校内を見学して、私がいちばん驚いたのは教室だ。変を通り越して「これは学校の態をなしてはいないのではないか」とすら思った。生徒さんにアンケートをとるために、彦坂先生が当時担任をしていたクラスにお邪魔した。「クラスタイム」という名前のホームルームなのだが、先生が教室に入ってもまだ立っておしゃべりしている生徒がいる。横座りで音楽を聴いている生徒、机に漫画本を積みあげてむさぼるように読んでいる生徒もいた。
毎年、東大合格者のランキングで上位にランクされる麻布高校。
ガチガチの進学校というイメージがあるのだが、本書を読んでみると、全く違うということがわかる。
むしろ、自由闊達な校風である。
自由には責任が伴う。
これは当たり前のことなのだが、これがわかっていない大人があまりにも多い。
麻布高校の教え方の特徴は、この両面をしっかりと教えているということ。
これを若いころにしっかりと身に付けさせることが後の成長につながるのではないかと考えさせられた。
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