人を殺してみたかった/藤井誠二
人を殺してみたかった――。私は、捜査員が会見の席で発表した加害者少年の供述内容を知ったとき、愕然とした。
平成12年5月に愛知県豊川市で、17歳の男子高校生が「人を殺してみたかった」という動機のもと、見ず知らずの主婦を殺害した事件は世を震撼させた。
結局、この少年は医療少年院送致となった。
「人を殺してみたかった」という言葉。
人を殺す動機としてはあまりにも軽い。
何かコンビニで買い物でもするような感覚で人を殺す。
そんなに人の命は軽いものなのか?
人の命は特別なものではないのだろうか?
そう思ってしまう。
いったい少年の内面で何が起きていたのか?
そのような問題意識からのルポルタージュなのだが、結論は「わからない」というもの。
確かにさまざまな形で推測することはできる。
親子の関係、子供の頃の体験、友達関係、メディアの影響、精神分析学からのアプローチ・・・等々。
何れも決めてに欠ける。
結局、「わからない」のである。
殺人には動機が必ずあるということも、もしかしたら思い込みなのかも知れない。
それほどにこの事件の真相は闇に包まれている。
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