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2015年6月 2日 (火)

日本人とは何か。(上巻)/山本七平

Photo 簡単にいえば「かな」がなければ日本は無く、そうすれば日本文化は当時の超先進大国中国の、漢字文化の中に包摂され埋没してしまったかも知れないということである。

日本の歴史を語る上で「かな」の影響は計り知れない。

平安前期までの日本は、ほとんど中国文化のとり入れに明け暮れた。

その中で本当に創造的な仕事といえるのは、仮名の発明ぐらいである。

「かな」によって日本人は自らの言葉を記す自らの文字を創造した。

そしてそれによって自らの古典を記し、それと並行して組織的な統一国家を形成した。

つまりこのときに日本ができたと言っても過言ではない。

自分の考えを自分の言葉と自分の文字で、何の束縛もなく自由自在に記しうること、

それが広く庶民にまで普及して識字率を高めたこと、

また和歌・俳句を生み出して日本的な感性を育んだこと、

この重要性はいくら強調しても強調し足りない。

『古事記』『万葉集』から『竹取物語』や『源氏物語』『伊勢物語』『平家物語』『徒然草』等、全て「かな」文学である。

つまり「かな」がなければ、現代の日本文化は無かったといってよい。

この意味で日本を考える場合、「かなの創造」は、忘れることのできない画期的事件と言ってよい。

これがなければ文化的に中国の属国になっていたかもしれない。

日本人が「かな」をつくり「かな」が日本文化をつくった、と言えるのではないだろうか。

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