潜入ルポ ヤクザの修羅場/鈴木智彦
取材対象と一線を引くことは、暴力団取材の鉄則である。最後の指は汚してはならない。しかし、書くためにはまず対象を知らなければならない。リスクがあっても潜入しなければ、書く題材さえみつからない。
著者は暴力団の取材を本業としているライターである。
その場合、一番難しいのは対象物である暴力団との距離感だという。
心に秘めている本音を聞き出すためには、一線を越えた仲になるしかない。
犯罪行為に荷担して共犯者になるのが一番だろうが、さすがにそれは出来かねる。
やはり一線はひかなければならない。
そのような中で、いかにして自分を信頼してもらい、本音を引き出すか?
その部分、コンサルタントと顧客企業との関係性とも相通ずる部分があるような気がする。
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