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2015年7月 4日 (土)

マクドナルド 失敗の本質/小川孔輔

Photo マクドナルドの創業時の店舗には、その後、マクドナルドが成長していく段階で常に直面することになる経営課題が象徴的に表れている。一つ目は、誰を顧客とするのか(好ましいターゲットの選定)。二つ目は、従業員にいかに気持ちよく働いてもらえるかである。マクドナルドは、創業時から事業が大きく拡大した現在に至るまで、この二つの課題と常に闘ってきたと言えるだろう。

上記2つの課題、つまり、「誰を顧客とするのか」「従業員にいかに気持ちよく働いてもらえるか」は、マクドナルドに限らず、ほとんどの企業の課題である。

つまりビジネスの基本とも言える。

ところが、最近のマクドナルドにはそれが見えなくなっている。

前会長の原田氏も、業績好調の時には優れた経営者と評判だったが、今改めて原田時代を振り返ってみると、疑問符のつく経営戦略を取っていたということがわかる。

日本マクドナルドのCEO就任にあたり、原田氏は社員に向けて「赤いバス(マクドナルド)に乗る覚悟があるかどうか」と決断を迫ったという。

原田氏の基本姿勢は、藤田時代の経営姿勢である「日本のことは、日本で決める」とは対照的に、米国流に従うというものだった。

年功序列制は廃止され、給与制度にも成果主義が取り入れられた。

これがマクドナルドの良い点を打ち消してしまったのでは、ということは十分に考えられる。

マクドナルドが日本に定着した、藤田時代の30年間を思い起こしてみると、その店舗はフランチャイジーや従業員にとって、家族や同僚とともに楽しく働ける場所だった。

従業員やクルーは、マクドナルドで人との接し方や礼儀作法を覚え、効率的に作業を遂行するコツを覚えることを通して、自らの成長を楽しみに働いていた。

それはその時代のマクドナルドを経験した卒業生の著書を読むとよくわかる。

マクドナルドのようなサービス業は、企業、顧客、従業員の努力によって支えられている。

マクドナルドでの食事に顧客が満足し、従業員が仕事や待遇に喜びを感じ、企業が利益を生み出すことができて、マクドナルドのビジネスが健全に運営される。

どれが欠けてもダメ。

そう考えると、原田氏の登場によって、マクドナルドが持っていた良いものまで消してしまったのではないかという分析は確かに当たっている。

マクドナルドの失ったものはあまりにも大きい。

今後、果たして復活できるのだろうか。

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