憲法の条件/大澤真幸、木村草太
「憲法守って国滅ぶ」などと揶揄する人もいますが、憲法に基づいて国家権力を行使せよという立憲主義の思想にコミットしていない人から見ると、とてもバカバカしいことをやっているように見えるでしょう。でも、われわれは日本国憲法を、物事を客観視するための出発点として設定しているわけです。
そういう意味で、憲法には正解が書かれているという前提で考えねばなりません。
今、ほとんどの憲法学者が集団的自衛権は違法であると言っている。
だから国会で審議されている関連法案は破棄すべきであると。
本書は社会学者の大澤氏と憲法学者の木村氏との対談だが、
つくづく感じるのは、世間ずれしているということ。
特に木村氏の場合、それが鼻につく。
確かに自らの専門分野に従って理論を構築しているのだが、何かそこに違和感がある。
今、日本に起こっている現実の危機に関してはほとんど触れない。
つまり、リアリティがないのである。
あくまで持論を展開する。
憲法を守らなくていいとは言わないが、
もし、憲法学者の言う通りに政治家が国を導いたら、間違いなく日本はおかしくなると思ってしまった。
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