虚報の構造/井沢元彦
朝日新聞OBの稲垣武氏は次のように証言する。
「この時期の広岡社長は、日中国交回復の推進が自らの使命だとの思い入れがあったと思う。当の広岡社長が『中国文化大革命という歴史の証人として、わが社だけでも踏みとどまるべきである。そのためには向うのデメリットな部分が多少あっても目をつぶって、メリットのある部分を書くこともやむを得ない』という趣旨の発言を社内の会議などでしていたことは、私も社内のいろんな人間から聞いている」『朝日新聞血風録』
この言葉、大手新聞社の社長の言葉とは思えない。
事実を伝えるのが使命である新聞社の社長が、事実を曲げて報道することを勧めているのである。
しかもそこには自分たちのねじれた思想が根底にある。
この体質が朝日の数々の誤報を生んだのであろう。
最近も吉田調書や吉田証言の誤報問題があった。
しかし、「そのためには向うのデメリットな部分が多少あっても目をつぶって、メリットのある部分を書くこともやむを得ない」
という言葉を聞くと、誤報ではなく、意図的な捏造だったのでは、と勘繰りたくなる。
もしそうだとすれば、その罪は重い。
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