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2015年8月16日 (日)

海戦から見た日清戦争/戸高一成

Photo 日清戦争は、戦争というものが単に戦場や海上での戦いで勝てば決着するというような単純なものでは無い事を、教訓として日本に教えたのである。これがあったがために、日本は次の国家衝突としての日露戦争に備える事が出来、勝利を得たのである。

日清、日露、大東亜と続く、この50年間の日本の歩をみていると、興味深いことに気づかされる。

それは、日露戦争の勝利は日清戦争の教訓の結果であり、大東亜戦争の敗北は日露戦争の教訓を生かさなかった結果であったということ。

日清戦争は勝利のうちに終結した。

しかし、日清戦争が果たして勝利の戦いであったのか、はなはだ疑問と言わざるを得ない。

対清国戦争としては、確かに勝利を得たが、その勝利の成果は、たちまちにして三国干渉で失われた。

そこで学んだ教訓は、戦争というものが単に戦場や海上での戦いで勝てば決着するというような単純なものでは無いということ。

この教訓は日露戦争に生かされた。

日露戦争の勝利は、再び日本に多くの教訓を残した。

国家戦争は、決して一国と一国の戦いではなく、それぞれの国の背後には、利害を共にする多数の国がそれぞれ手を握り、世界注視の中で戦うのだということ。

最終的には、第三国が仲介の労を取らなければ収まらないこと。

また、近代的兵器を駆使する戦いは、想像を絶する人的、経費的消耗を伴い、勝者といえども、大きな傷を負わねばならないこと等、そのほか多くの教訓があった。

しかし、世界の大国ロシアを破ったという表面的な勝利に酔った日本は、その多くの教訓を、真剣に検討することは無く、いわば歪んだ勝利体験のみを受け継ぎながら肥大化していった。

そして、1941年、国益を守るための多くの対外交渉に破綻した日本はアメリカに宣戦を布告し、1945年、壊滅的状態で敗戦を迎えた。

今日改めて大東亜戦争を見直すとき、その開戦決意の背景には、日露戦争の勝利がある。

そしてその日露戦争の勝利の背景にこそ、苦難に満ちた日清戦争の勝利がある。

歴史に学ぶということがいかに重要かということをこのことは示していると思う。

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