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2015年8月12日 (水)

人の心に火をつける/松本育夫

Photo サッカーを楽しもう――。正直なところ私はその言葉の意味がわからない。
 皆、試合に勝ちたいはずだ。だったら、そこに妥協はない。あってはならないと思う。勝負に強いこだわりを持たなければ、本質的な向上はない。本当の楽しさは、とことんやり抜き、苦しみ抜いた人間だけが最後の最後に知る果実である。プロセスが険しければ険しいほど、成果を出したときの喜びは大きい。

試合を「楽しむ」

アスリートからよく聞く言葉である。

しかし、その使い方を間違っていると感じる選手がいる。

彼らの「楽しむ」という意味は「楽する」という意味である。

中には、緊張したりあがったりしないために「楽しむ」というのかもしれない。

しかし、本来「楽しむ」とは、全力を出し切った結果得られる果実なのではないだろうか。

乗り越えるべき壁が高ければ高いほど、それを乗り越えたときの喜びは大きい。

それを「楽しかった」と表現する。

水泳の北島選手がオリンピックで優勝したとき、「チョー気持ちいい」と言ったことと通じるものがある。

その言葉にみんなが感動したのは、そこに至る気の遠くなるような努力の積み重ねの結果であることがわかるからである。

「楽しむ」という言葉も、使う場面や人によって全く違った意味になってしまうということである。

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