ドラッカーの黒字戦略/藤屋伸二
「顧客ニーズ」を日常的な表現に変えると、「カネを払ってもいいから、とにかくなんとかしたい問題」となります。そうだとすれば、商品は「カネを払ってでも解決したい問題の解決手段」です。つまり、顧客は商品そのものを買っているのではなく、問題解決の手段を買っていることになります。
「顧客ニーズ」と言うとわかったようでわかっていない。
しかし、「カネを払ってもいいから、とにかくなんとかしたい問題」と言われると、ピンとくるところがある。
これを探すのが中小企業が生き残る道だといってよい。
たとえば、テレビを見ている人は、テレビそのものを見ているのではなく、「娯楽」や「情報収集」の手段として見ている。
どんな問題を解決するためにテレビを見ているかが分かると、競合がはっきりしてくる。
たとえばテレビ局は、「娯楽」においては、ゲームや家族旅行やLINEと競合している。
また「情報収集」においては、スマホやパソコン、新聞や雑誌などと競合している。
テレビ局は、このような現実を理解しないと、的外れの競合対策をして、努力が報われずにジリ貧になってしまう可能性が大きい。
大企業に比べて、ヒト・モノ・カネ・時間・ノウハウ・情報が圧倒的に不足する中小企業が価格競争に走り出すと業績は悪化する。
効率では、大企業にかなわないからである。
そうした意味で、顧客に不便やガマンをさせていること、つまり「カネを払ってもいいから、とにかくなんとかしたい問題」を発見することである
それが中小企業が生き残る道である。
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