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2015年9月27日 (日)

紅い白猫/松本清張

Photo_2……自分のデッサンに行詰りを感じていたぼくは、偶然の機会から平和学園を訪れ、そこに展示されたヒロシの絵を見て仰天した。ぼくは、ぜひ、その子供に会いたかった。担当の先生が上田吾一だった。ヒロシの両親に会ったところが、まもなく、ヒロシは実の子でなく、赤ん坊のときの貰子だったことが分った。ぼくはそれを聞いてヒロシを学園からおろさせ、誰にもその絵を見せない約束で金をうんと両親に与えた」

小説の主人公、原野葉子は、美術大学を卒業し新進気鋭の商業デザイナーである葛山正太郎の葛山産業美術研究所にはいる。

しかし、葛山のもとで働いている内に、彼女は葛山の人格と作品に矛盾があることに疑問を持つ。

調査をすすめるうちに、彼女は、知恵遅れのヒロシという少年と出会い、その少年がそのカギを握っていることに気づく。

自分のデザイナーとしての資質に行き詰まりを感じていた葛山は、ヒロシの描いた絵をアイデアのヒントにすることにより、一躍時代の先端を行く新進気鋭のデザイナーとしての名声を手にしたのである。

彼はそのことを秘密にするために様々な工作をし、その事実を隠そうとする。

彼女はそれを一つ一つ暴いていくといったストーリーである。

それにしてもデザイナーに代表されるクリエーターという職業、

その華々しさの裏に、才能の枯渇という恐怖といつも戦っている、極めてプレッシャーのかかる職業なのであろう。

おそらく小説家である清張も、多作であるが故に、同様のプレッシャーにいつもさらされていたのではないだろうか。

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