日清・日露戦争をどう見るか/原朗
韓国併合条約(「韓国併合に関する条約」)については、日本と韓国が国家として対等の立場で合意したもので、国際法上も合法であり、日本の韓国併合を正当化する議論もみられますが、併合までの日本の強引なやり方を見ていくと、それはきわめて一面的な、歴史の流れをふまえていない見方のように私には思われます。少なくとも、韓国の側から見れば、先にお話ししたように、韓国併合とは、日本によって自分の国が奪われた「恨の歴史」にほかなりません。
本書は、日清・日露戦争を韓国を植民地化するための戦争であったと述べている。
日本がおこなった日清・日露という二つの戦争はともに朝鮮半島が戦場となり、戦争の目的も朝鮮の支配だった。
この二つの戦争は、「第一次・第二次朝鮮戦争」と呼ぶほうがふさわしいと述べている。
その見方はかなり偏っているように見える。
韓国併合条約についても、日本のやり方を非難している。
でも、当時の世界の情勢から見てどうだったのか、という視点がどうも欠けているように感じられる。
ただ、歴史には様々な見方がある。
これも一つの歴史観であり、このような見方をする日本人が多いのも事実である。
これだから歴史は面白いともいえよう。
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