高杉晋作/一坂太郎
いかに生き 、いかに死ぬべきかをつねに真剣に考えて来た晋作である 。勝敗は問題ではなく 、自分自身が真っ先に 、成算の無い戦いに身を投じる 「決意 」を見せる事こそが大切だったのだ 。そうすれば 、たとえ自分は敗れて死んでも 、後の誰かが奮起してくれると考えたのだろう 。
高杉晋作の言動は過激であり、また魅力的だ。
そしてその生き方は、師である吉田松陰にも通ずるものがある。
それは 、計算や根回しから出た判断ではない 。
物事を義と公に照らして恥じないならば 、断固 、行動すべしという陽明学の正道を歩む行動だったと言える 。
成算の有無など 、尋ねる方が筋違いだといってもよい。
早々に表舞台から消え去った高杉晋作は、いつまでも美しい。
しかし、ただそれだけのことかも知れない。
もし晋作が若くして病死しなかったらという「if」がある。
ただ、晋作の言動はあの時代であればこそ輝いたのだと思う。
それが明治の近代化の波に順応出来たかは甚だ怪しいのではないだろうか。
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