廃藩置県/勝田政治
王政復古クーデター・版籍奉還・廃藩置県という、明治中央集権国家が誕生する節目で重要な役割を演じたのが大久保利通であった。
一つの体制が維持されるためには、それにより利益を享受する人たちが存在する。
何かを変えようとすれば、様々な既得権と戦わなければならない。
だから、改革には痛みが伴うのである。
維新後の新政府にとって、中央集権化にあたって最大のネックとなったのは藩の体制であった。
江戸時代の体制は幕藩体制と呼ばれている。
それは幕府と藩を基軸とした政治社会体制である。
したがって、幕府の倒壊だけではなく、藩をも消滅させなければ、真の意味で江戸幕藩体制の時代が終ったとはいえない。
廃藩置県は、江戸時代の幕藩体制に終止符をうち、真の意味での「明治国家」を誕生させたという重要な意義を有するものである。
そして、明治維新の三大改革といわれる、学制・徴兵令・地租改正をはじめとする近代化政策は、その直後から急速に進められる。
そしてそのキーマンとなったのが大久保利通であった。
この人物、もっと評価されてもよいのではないだろうか。
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