日本人が知らない集団的自衛権/小川和久
第二次大戦後から今日まで欧米をはじめとする主要国が行使を続けている集団的自衛権は、戦争をするための権利ではなく、「戦争を回避するための権利」なのです。「万が一、攻撃をしかけてきたら全員で仕返しするぞ」と宣言し、そのための軍隊を維持することによって「戦争が起きないよう抑止するための権利」、といってもよいでしょう。
昨年の国会での安保法制をめぐるのドタバタは何だったのだろう。
「戦争法案」と揶揄されたが、冷静になって考えてみると、国家として当たり前のことを決めたに過ぎないということがわかる。
今の日本に、あえて戦争をしたいと思っている人は何人いるのだろう?
戦争が起これば、みんな損する。
人、モノ、カネ、全てが浪費される。
誰かそんなことを望むのか?
だからこそ、戦争を起こさないことが大切なのではないだろうか。
そのためには自衛が大事。
自衛権には2つある。
一つは「個別的自衛権」
自国の安全を自国の軍事力によって守る権利である。
もう一つは、「集団的自衛権」
自国の安全を同盟国などの軍事力を使って守る権利である。
どちらも「自衛のための権利」であって、他国を守ることが優先されているわけではない。
あくまでも自国の防衛が最初にあってこその他国の防衛であることが、日本の議論では忘れられている。
そんな国際社会の常識を一切無視して「集団的自衛権は戦争する権利だ」などと言い放つ輩は、一体どんな思考回路をしているのだろう。
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