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2016年1月 7日 (木)

合理的なのに愚かな戦略/ルディー和子

Photo カナダの心理学者レイモンド・マー教授は、fMRIを使ったいくつかの実験に基づく研究結果として、小説をよく読む人間は、他人のことをよりよく理解し、彼らと共感し、彼らの観点から世界を眺めることができるようになるとしている。

小説を読んでいる読者は、登場人物が本のなかで感じていることやしていることを、まるで自分自身がしているかのような反応を脳のなかで起こしているという。

たとえば、主人公がクルマのハンドルを握ったという箇所では、読者の脳内の運動に関係する神経ネットワークが活性化する。

主人公がまわりを見渡しているときには、目の動きをつかさどる神経ネットワークが活性化する。

読者は小説のなかでの出来事を、自分自身の出来事として経験していることになる。

実は、このような感情移入の能力は、様々な場面で生きてくる。

企業の戦略を考え決断する際にも生きてくる。

知識、記憶、学習、思考を含む認知活動だけでは人間は決断を下すことはできない。

認知は行動を起こすためのプロセスではない。

行動を起こす、つまり決断を下すには感情を必要とする。

一流企業の頭脳明晰であろう経営者が、なぜ、同じ間違いを繰り返すのか?

MBA取得者が、なぜ、誰からも指摘されるような単純な間違いを犯すのか?

理由は簡単。

データや資料に基づいて戦略を立てるまでは論理の世界。

でも、それを実行するかどうかの決断は理性だけでは決められない。

ここからはむしろ感情の世界である。

そしてこの部分に問題のある経営者があまりにも多いのである。

今の経営者が高学歴であるにも関わらず、間違いを繰り返すのは、理性に偏重しすぎ感情を無視しているからなのかもしれない。

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